正社員からアルバイトまで!60歳からの「就活」必勝ガイド

日刊大衆

写真はイメージです
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 働き続けたいのに、仕事を見つけるのが難しいシニア世代。採用担当者はどこを見ているのか。徹底調査でもう楽勝だ!

 サラリーマンなら定年を迎える60代。体力に自信はあるし、まだまだ働きたいところだが……。

「年金も減らされそうだし、貯金もそんなにない。不安なので、近所のコンビニの面接を受けたら落とされた」(60代男性)

「長年勤め上げた会社での経験をぎっしり書き込んだのに、履歴書すら通らなかった」(60代男性)

 若者の減少で働き手が足りないといわれているのに、なぜだろうか。

「新型コロナで打撃を受けた、飲食業や観光業の人材が他の業種に流れたことで、働き口の奪い合いになっているんですよ」(全国紙社会部記者)

 シニアの就職口は、今や“狭き門”なのだ。そこで、中高年の就職事情に詳しいキャリアコンサルタントの福林弘祐・京都就職支援研究所所長に、60歳からの「就活」必勝法を伝授してもらった。

■ハローワークや求人誌は?

 第一のステップは、職探し。いきなりハローワーク(国の公共職業安定所)を訪れたり、無料配布されている求人誌を開くのは待ってほしい。誰もが見つけることのできる求人先には、応募も集まりがちだが、実はシニアの求人は、地元の自治体でも行っている。たとえば東京都には「東京しごとセンター」がある。

「自治体の機関やハローワークでは、無料で就職セミナーを開催しています。求人職種の仕事内容の説明やマッチング、履歴書の書き方や面接の受け方まで教えてもらえるので、オススメです」(前出の福林氏)

 民間の転職サイトも活用して、幅広く職を探すのもいいという。ただ、「シニア限定」という募集には、それを逆手に取る企業があることに注意したい。清掃会社に採ー用されたAさん(63)の話を聞いてみよう。

「アパートの空き部屋のクリーニングが仕事でしたが、トイレや換気扇を洗掃除していると、10分ぐらいで呼吸が苦しくなり、体がだるくなるんです。どうも洗剤が、やたら強力なものだったらしい。年寄りだからって、使い捨てにするつもりだったのでは……」

 一方、自分にピッタリの仕事を見つけた幸運な人もいる。建設会社の営業マンだったBさん(62)は定年退職後、古くからの友人に紹介してもらい、冠婚葬祭の会社で働くようになった。

「仕事はお客さんの苦情や相談への対応なんですが、営業の仕事で取引先とのやりとりには慣れていましたからね。ストレスもなく、新しい仕事を楽しんでいます。親友は、僕が人との折衝を苦にしないタイプだと分かっていたんですね」

 実際、性格や経験を把握しているためか、知人や同僚による紹介は成功するケースが多いそうだ。

 シニア向けの求人では、短期のアルバイトの募集も多い。だが、病気や介護などで身の回りが急変することもあるため、必ずしも正社員にこだわる必要はないようだ。

■若々しい印象を与える履歴書

 第二のステップは履歴書の記入。以前に書いたのはいつだったのか、覚えていない人も多いのでは? 福林氏によると、「担当者が採用したいと思える履歴書は意外に少ない」という。

「職歴には社名だけでなく、そこで任されていた仕事なども書きましょう。また、志望動機は面接にこぎつける重要なポイントです」

 採用担当者からは、こんな声が上がっている。

「“自宅に近いから”とか“病気にならないうちに”とかよく書かれているんですが、ご自分の都合を優先した志望動機だと、履歴書を通すことはないですね」(配送会社の採用担当者)

 応募する会社についてはネットで調べ、「御社の○○の商品に興味を持ちました」などと書き込むことで、相手も「会ってみよう」という気になる。

「写真を重視する担当者も増えています。ちゃんと散髪などをすませて、若々しい印象を与える一枚を使うことも大切」(福林氏)

■最大の山場、面接は…

 最後のステップは、最大の山場になる面接だ。遅刻は厳禁。服装や身なりに気を配る。受け答えは背筋を伸ばしてハキハキと。面接官の目を見て話す――。

 当たり前のように思えるが、できていない人が多いというから注意したい。

「いくら僕が何十歳も年下だからって、“君の考えは”と言われたときには、カチンときちゃいました。かつての部下だと思っているのでは」(ビル管理会社の面接担当者)

 会話でも「お宅の会社は」と言って、前の勤め先と比較してしまうことが多いそうだが、前職にこだわらず、「御社で、こう働きたい」とアピールすることが成功のコツ。また、面接で答えにくいのが「以前勤めていた会社で、どんな欠点を指摘されましたか?」という質問。これに対して「かなり頑固」などと正直に話すのは考えものだ。

「仕事に厳しく、最後までやり抜くと評価されていました」

 このように、ちょっと言い方を変えるだけで、プラスの評価に持ち込める。

「ご自分では欠点と思っていることでも、裏返せば長所になるはずですよ」(福林氏)

 また、採用担当者は次のような点も重視するという。第一に、片手間やバイト感覚でなく、一生懸命に働いてくれるか。次に、募集している職種に応募者の適性が合うか。他にも、採用したシニアが年齢差のある現場の社員とコミュニケーションを取れるか。トラブルに臨機応変な対応ができるか。持病がないかも、よく聞かれる点だ。

「こうした面接担当者の心配を先読みして、明るくハキハキと受け答えすれば、採用は間違いなし!」

 こう太鼓判を押す福林氏は、就職後について、こうアドバイスする。

「シニア世代は仕事の経験が豊かなこともあり、つい“ここは、こうしたほうが……”と言いたくなるそうです。ただ、最初の1年間は新しい会社のやり方に素直に従ったほうが、きっと、うまくいきますよ」

 現場からは、こんな声も。「人生経験って、ありがたいものだったんですね。仕事だけではなくて、私生活でも相談相手として、大切な方に出会いました」(出前専門店のマネージャー)

 これから勝負に臨むシニアの皆さん。ふさわしい仕事や働き方を見つけ、有意義なセカンドライフを過ごしてください!

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