期待作『危険なビーナス』失速させた妻夫木聡の妄想シーンと2つの問題点

日刊大衆

※画像はTBS『危険なビーナス』番組公式ホームページより
※画像はTBS『危険なビーナス』番組公式ホームページより

 妻夫木聡(39)主演のドラマ『危険なビーナス』(TBS系)の第4話が11月1日に放送され、平均世帯視聴率が11.0%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)で、前週から0.7ポイントのダウンとなった。

 このドラマは、東野圭吾の同名小説が原作で、異父弟の矢神明人(染谷将太/28)の失踪をきっかけに、主人公の手島伯朗(妻夫木聡)が名家の巨額の遺産相続争いに巻き込まれていくミステリードラマ。

 妻夫木が16年ぶりに民放の連続ドラマに主演するなど放送前から注目度が高く、第1話は14.1%と好調なスタートしだったが、第2話は12.5%、第3話は11.7%と下降線をたどっている。その失速の理由をSNSの反応で探ってみると、まず、妻夫木演じる伯朗の妄想シーンにあるようだ。

 伯朗はめっぽう美女に弱く、妄想にふけりがちという設定で、当初は美女との色っぽい妄想シーンが流れていた。ドラマのシリアスな雰囲気をコメディ要素で中和する狙いがあるのかと思われたが、第3話の妄想シーンは意味合いが違った。

■予告シーンに不満の声

 それは、矢神家の次女の祥子(安蘭けい/50)の娘である、百合華(堀田真由/22)が伯朗を訪ねるというシーンでのこと。百合華が“明人の妻”を名乗る謎の美女、矢神楓(吉高由里子/32)を突き落とした犯人だと明かし、伯朗を刺してしまうという妄想だった。

 これだけなら、いつもの妄想だと受け入れることができたのだが、問題なのは、前回ラストに放送された予告編でも伯朗が刺されたシーンが流れ、百合華が事件の重要人物であることを匂わせたことだ。その結果、次週の放送までの1週間、事件の考察を楽しんでいた視聴者を落胆させた。

 さらに、第4話の予告編では明人が椅子に縛られたシーンがあり、失踪の謎が明かされ、物語が大きく動くことを予感させた。しかし、これまた伯朗の妄想シーンで、祥子の夫である隆司(田口浩正/53)の後をつけて不倫現場を目撃する前に、伯朗が妄想したものだったのだ。

 これに対し、ツイッター上では、妄想シーンを好意的に受け取る声もあったが、多くは「妄想を次回予告に折り込んだのはがっかりです。以降の予告がすべて嘘に見える」「せっかく良い役者揃ってるのにサスペンス色が色あせてしまう。力入れるところを間違えている」などと、批判的な声を寄せていた。

■吉高由里子はミスキャスト?

 また、次に考えられる失速理由として、「登場人物の設定っていうの? 古いよねぇ~って思った」「まるで金田一耕助シリーズ的な昭和のミステリー設定。なのに、殺人事件が起きないのでミステリーとして物足りない」などと、ドラマ設定が古くさく中途半端だという声も。

 さらに、“危険なビーナス”を演じている吉高について「吉高由里子に少しイラつくなぁ。違う女優だったら、もっと怪しい感じになったんじゃないかな」「あの役が吉高由里子で良いのか原作で確かめたい。今のところなんか違うと思うけど」などと、物足りないという不満の声もあった。

 第3話、4話で判明したのは、隆司と祥子の夫婦がそれぞれ不倫していたぐらいで、明人の失踪問題や遺産相続をめぐる争いはほとんど進展していない。4話の後半、矢神家の養女である佐代(麻生祐未/57)が不倫騒動について、「とんだ茶番を見せられたわね」とあきれたようにボヤていたが、ドラマ自体も、上質なミステリーを期待する視聴者を裏切る“茶番劇”にならないよう願いたい。(ドラマライター/ヤマカワ)

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