夜這い対策にはコレが一番?男性のアレを××してしまう「今昔物語集」の秘術【上】
世界は実に広いもので、先日こんなニュースを見つけました。
【概要】
毎年クリスマスが近づくと、ナイジェリアのダウドゥ村では男性のアレが消失するという珍事件が発生。そんな中、今年もアレが消失したまま発見できない7人の若者が「黒魔術による犯行」だとして、容疑者と見られる牧師の自宅を焼き討ちにしたそうです。
※参考:Angry youths burn down pastors’ buildings because 7 men can’t find their penises [ARTICLE] – Pulse Ghana
一体どういう事なのかさっぱり判りませんが、「見つけられない」という事は、どうやら切り落とされたとか、そういう物理的な話ではなさそうです。
(そもそも、そんな事をされたら今ごろ生死の境をさまよって、とても抗議どころではないでしょう)
しかし不思議なこともあるものだ……と思っていたら、確か平安時代の説話集『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』にも、似たようなエピソードがありました。
そこで今回は『今昔物語集』のアレを××してしまう男たちのエピソードを紹介したいと思います。
郡司の妻に夜這いをかけた道範、気づくとアレが……今は昔、第57代・陽成天皇の御代(在位:貞観十八876年~元慶八884年)のこと。
道範(みちのり)という滝口武者(たきぐちのむしゃ。宮中警護の任務を担当した武士)が陸奥国(現:東北地方東部)から献上される砂金の護送を命じられ、東山道(京都~東北方面の街道)をはるばる旅しておりました。
そんな道中、信州(現:長野県)でとある郡司(大領主)の屋敷に泊まった道範は、郡司の妻にそそられてしまいます。
「むはーっ、もう我慢できない!」
あまりの色香に理性をかなぐり捨ててしまった道範が一心不乱に夜這いをかけたところ、妻は拒絶も抵抗もしないどころか、声一つ上げず、その表情はむしろ誘っているかのような艶かしさ。
「うひひ……『据え膳喰わぬは男の恥』と言うからのぅ。それでは、いただきまーっす!」
……と、事に及ぼうとした道範ですが、ふと臍(へそ)の下に強烈な違和感を覚えました。
「ん?」
道範が自分の腹を見ると、臍の下にあって然るべきもの、要するに男性器がなくなっているではありませんか。
「えぇっ!?」
これは何かの間違いだ、といくら撫でてもさすっても、叩いてもつねって引っ張っても、本来あるべきものは見つかりません。すっかり狼狽えてしまった道範は、慌てて妻の寝室から逃げ帰ったのでした。
ない!ない!家来たちのアレも次々と……「一体どうしてこんな事に……」
布団の中でツルツルになってしまった股座(またぐら)をさすりながら、道範は途方に暮れます。
「しかしまぁ、嘆いていても始まらないから、とりあえず一人でも多く道連れ(?)にしてやろう!」
という事で、連れて来ていた八人の家来たちを一人ずつそそのかし、郡司の妻に夜這いをかけさせたところ、八人全員が股座をツルツルにされてしまったらしく、浮かない顔で帰って来ました。
「おや?事は不首尾に終わったのか?」
「いえ……何というか、その……(モジモジ)」
みんな心なしか内股で立ち去る様子を見ると、空恐ろしくなってきた道範は家来たちに支度を命じ、夜も明けない内から屋敷を出発します。
(アレがないと、馬の鞍も据わり心地がおかしいのぅ……)
などと思いながらしばらく行くと、郡司の召使いが馬で追い駆けて来ました。
「もうし方々!お待ち下され!」
まさか、夜這いのことがバレたのでは……肝を冷やした道範たちに、召使いは包みを渡します。
「お忘れ物にございまする」
開いた包みの中には、何と道範たちの失われたアレがごっそり九本。一体どういうことなのか、さっぱり意味が分かりません。
「皆様とてもお急ぎだったので、このような大切なものまでお忘れになってしまったのでしょう。どうか、お納め下され」
すると、包みの中にあったアレは忽然と姿を消し、次の瞬間、道範の股座には得も言われぬ安心感が戻って来ました。他の八人もそうであろう事が、表情から判ります。
「また都へお戻りの際には是非ともお立ち寄り下さるよう、主が申しておりました……しからばこれにて」
そう言うなり召使いは忽然と姿を消してしまいました。一体どういう事なんだ……まさに狐につままれたような思いで任務を果たした道範らは、再び郡司の屋敷を目指すのでした。
【下へ続く】
参考文献
水木しげる『今昔物語集 全』講談社、2017年3月 Angry youths burn down pastors’ buildings because 7 men can’t find their penises [ARTICLE] – Pulse Ghana日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan