オスマン帝国ハレム支配の頂点を極めたトゥルハンが眠るイスタンブールの霊廟「トゥルハン・ハティジェ・スルタンの霊廟」 (2/3ページ)
政治面以外では、イスタンブールにおける建築の面でも権力を発揮しました。その最も有名なものが、メフメト3世の頃から建設工事が滞っていたモスク「イェニ・ジャーミィ」を完成させたことと、そのモスク周辺にバザールを造らせたことでしょう。このバザールは現在は「エジプシャン・バザール」や「スパイス・バザール」として知られており、イスタンブール観光には欠かすことができないスポットにもなっています。
ハレムでスルタンや大宰相の権力を操って国政に関与したトゥルハンは、オスマン帝国のハレムにおける女人の統治の頂点を極めた女性であり、今日私たちが見ても分かるように、帝都イスタンブールにその権力の爪痕を残した女性なのです。
そんなトゥルハンは、自らが完成させたモスクとバザールの近くにある霊廟で眠っています。
霊廟とは思えない華やかな内装や、トプカプ宮殿を思わせる美しいイズニックタイルは、彼女の権力を象徴しているかのようです。彼女の隣には、ともに帝国を支配した愛息子メフメト4世、そしてその子息もずらりと並んでいます。
トゥルハンの権力は、イスタンブールのエミノニュにある「イェニ・ジャーミィ」「エジプシャン・バザール」そして「トゥルハンの霊廟」といった後世にまで残る美しい建築物に象徴されています。