世界の福本豊〈プロ野球“足攻爆談!”〉「藤川球児の引退試合で思うこと」 (1/2ページ)

Asagei Biz

藤川球児
藤川球児

 盗塁王13回、シーズン歴代最多となる106盗塁、通算盗塁数1065と輝かしい記録で「世界の福本」と呼ばれた球界のレジェンド・福本豊が日本球界にズバッと物申す!

 藤川球児の引退試合を甲子園で見てきました。サンテレビの解説席で、試合開始から、ゲームセットのあとに1時間ぐらいあったセレモニーの最後まで。阪神としては去年、功労者の鳥谷がケンカ別れみたいな形で去っていたし、せめて藤川には大々的なセレモニーをしないといけないと思ったんかな。

 個人的にはちょっと企画が多くて、長すぎる感じがした。11月のナイターで寒かったしね。ファンは巨人相手に火の玉ストレートを見られて満足しているし、引退スピーチだけでもよかったかもしれんね。

 投球自体は「ほんまに引退するんか」と思うほどよかった。9回から登板して、坂本、中島を連続三振、最後は重信を二飛。ストレートも150キロ近く出ていて、力があった。

「ほんまの真剣勝負か」と言われたら違うかもしれんけど、坂本も振り遅れていた。2アウトになって重信の次が岡本やったから、歩かせて岡本との勝負も見たかった気がする。でも公式戦ということを考えると、引退試合といえど、露骨な四球も考えもの。重信もやりにくかったと思う。中途半端な結果がネット上で物議を醸したらしいけど、彼の立場からしたらしかたがない。日本シリーズに向けてしっかりアピールしないといけない選手やから。

 藤川だけでなく、今年はいろんな選手の引退試合が各球団で行われた。最近のはやりやね。営業としての戦略もあると思う。消化試合でもファンが来てくれるし、引退グッズも売れる。藤川のセレモニーなんかを見ていると、うらやましく思う。僕の場合は上田監督が最終戦のスピーチで「やめる山田、残る福本」と言うところを「チームを去る山田、福本」と言い間違えたのが引退のきっかけ。ファンの前で言ってしまったものはしかたがない。まだ現役を続けたかったけど、ユニホームを脱いだ。

 翌年のオープン戦で引退試合はやらせてもらったけど、1打席だけ。結果は二ゴロやったと思う。今の時代やったら、相手チームが忖度して盗塁も決めさせてくれたかもしれんね。当時はそんなショー的な感じは薄かった。

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