これはいったい!?民家の浴室の壁についたうんちっちめいた茶色い物体の正体は?(オーストラリア)

浴槽の壁に茶色の謎の物体 image credit:Mums Who Clean/Facebook
南半球にあるオーストラリアは独自の生態系を持っている。北半球人が見たこともない生物が出現したりするので目が離せないわけだが、この物体もあまりにも謎めいている。
オーストラリアに住むある女性の自宅浴室の壁には、茶色くてその形状もうんちっちにとてもよくにた物体がいくつも張り付いていたという。
お風呂に入ろうとして壁にこれが張り付いていたら絶対びっくりするやつだ。いきなり驚いてしまう人が続出することを想定してトップ画像は加工を施してみたが、果たしてこの物体の正体は?『news.com.au』などが伝えている。
・自宅浴室の壁に謎の茶色い物体を発見
オーストラリア在住の女性は、自宅の浴室の壁に謎の物体を撮影し、Facebookの人気グループアカウント『Mums Who Clean』に投稿した。
浴槽の壁のタイルに奇妙な茶色の物体がいくつも張り付いている。女性は「これ、どうすればいい?」と相談をもちかけた。

image credit:Mums Who Clean/Facebook
それを見たユーザーらからは、「気持ち悪い!」「なんか怖い」「今すぐ逃げて」「蜘蛛の巣じゃないの?」などと多数のコメントが寄せられたが、さすがオーストラリアジモティー。多くの人が「それはドロバチの巣だよ」と回答した。
・泥や土で巣を作る特徴を持つドロバチ
この茶色の塊がドロバチの巣であることを確認したシドニー大学の生態学者ディーター・ホチュリ教授は、黒と黄色の細長い体型をしたドロバチ(Potter wasp)は、その名の通り泥や土を使って巣を作る特徴を持つハチの一種であると説いた。
その外観は、スズメバチのような凶暴さな印象を与えがちだが、ドロバチは他の多くの蜂のように集団行動はせず、それほど獰猛ではないという。
ドロバチの巣作り
Potter Wasp Stuns and Shoves Caterpillar Into Pot | Trials Of Life | BBC Earth
通常、ドロバチは捕食のためのクモを捕らえると、巣の中で麻痺させ、閉じ込める。その後、メスは巣の中に卵を産みつけ、幼虫は巣の中のクモを食べて育つ。
クモにとっては、ドロバチはまさに天敵だが、人間にはほとんど無害だそうだ。ホチュリ教授は次のように助言している。
毒針はありますが、その毒もスズメバチやアシナガバチよりも弱いもので、比較的おとなしい蜂です。しかし、脅威を感じると攻撃の可能性はあります。
スプレーを噴射したりして刺激するのは止めた方がいいでしょう。蜂が巣の中や周りにいないことを確認して、巣をこすり落とすように除去したらそのままゴミ箱へ捨てましょう。
Facebookのユーザーからも「蜂の活動が弱い夜に巣を除去したらいいんじゃない」「害虫駆除サービスは必要ないと思う」といったアドバイスが多数寄せられた。
教授曰く、この時期ドロバチのメスは冬眠から覚めて、餌となるクモを探すことに忙しいという。
ドロバチは、一般的に民家の中に巣を作ることもあれば、泥と土が集められてクモを得られる場所さえ見つかればどこにでも巣を作る傾向にあり、「その行動は非常に日和見的」だということだ。
written by Scarlet / edited by parumo