紅白歌手・角川博「ぼっちカラオケ」で厳しい演歌界を激白!!「志村けんさんは“何をしょげてんだよ”って天国で言ってますよ」

コロナ禍でステージが激減し、長時間歌う機会がなくなったという演歌歌手の角川博(66)。
1976年に『涙ぐらし』でデビューし、同年の日本レコード大賞新人賞などを獲得。1978年に『許してください』で『NHK紅白歌合戦』に初出場をはたし、若くして売れっ子歌手に仲間入り。また、ものまねも得意で、お茶の間でも人気を博し、今年8月にも新曲『雨の香林坊』をリリース。
長きにわたって第一線で活躍を続ける角川さんは、喉の調子を維持するために今、1人カラオケに通っているという。そんな彼に、コロナが直撃し、苦しい状況にあると言われる演歌界の現状を聞いた。
熱唱する角川さん
――2020年はコロナの影響でコンサート活動ができなくなってしまい、エンタメ業界が大打撃を受けました。演歌界もかなり厳しかったのではないでしょうか。
「(他のジャンルに比べて)演歌界のほうが厳しいですよ。だって、配信なんて無理なんだから。無観客のライブはJ−POPの人たちがやってるけど、配信が見られるお客って演歌の70〜80代の人でいます? 息子とか娘とかね、(視聴環境を整えるのを)やってくれると言ったって、限界があるでしょう。それは難しいですね。
ただ、氷川きよし(43・氷川の無観客はオンラインではなく、10月24日にWOWOWで放送)とか山内惠介(37)とかパク・ジュニョン(38)とか、ファン層が若い人はね、やってますけどね」
――主なファン層が70〜80代となってくると、感染リスクもありますし、生のコンサートも厳しいと。
「そう、できないんだよね。やっぱり、元気でコンサートに来られる人であっても、感染状況を考えると来れないでしょう。ただ、僕らも生活があるわけですしね。今は、本当に仕事がなくなっちゃったと考えていいんじゃないですかね……」
■感染対策費用でギャラも半分以下に
演歌界の現状を語ってくれた角川さん
――客数を制限するなどして、コンサートを行う例も出てきていますね。
「五木ひろしさん(72)も、お客さん半分にして、アコースティックで工夫して、ライブやっていましたね(『ITSUKIモデル 弾き語りライブ 今できること―ソーシャルディスタンス コンサート』)。しかしみんな、もうギャラ的には半分以下だと思います。感染対策の経費もとてもかかるんですよね」
――角川さんは12月には東京・目黒の雅叙園でのディナーショーがありますよね。
「感染対策はしっかりやりますよ。本当は200人入るところを70〜80人。1テーブル5名までにします。それに間隔も相当開けていますからね。感染対策が大変で、お客さんは少ないけど、経費はかかっちゃうっていうね。だったら、やらないほうが良いだろって話にもなっちゃうんですよ」
■志村さんからは「真面目にふざけること」を学んだ
志村けんさんとの思い出を語る角川さん
角川さんは、最高視聴率50.5%を記録した伝説のお化け番組『8時だョ!全員集合』(TBS系)や『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)などにも出演。3月に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった志村けんさんとの親交もあったという。
――志村さんの訃報を聞いたとき、どういった心境だったでしょうか。
「もうしょうがないと思いましたけどね……。もちろん悲しいことは悲しいですよ。やっぱり悲しくて、一瞬手を合わせますけど、志村さんはね、悲しむのは好きじゃない人から。“何をしょげてんだよ”って天国で言ってますよ」
――角川さんにとってどんな方でしたか?
「あの人はマジな人。真面目に笑いをする人で。何でも真面目なんです。ふざけてない。ふざけたことを真面目にする人ですね。僕はそういうところを学んだのね。僕もモノマネやってワーワーやるけど、一生懸命やっています。本気でふざけろってことです。
志村さんとは、デビュー当時からずっと付き合ってきました。『全員集合』から『大爆笑』までね。結構出させていただいたんで。あそこは演歌はそんなに出ないんだけど、僕は気に入ってもらっていたんです。一回、『大爆笑』で客役が志村さんと加藤茶さん(77)で、僕が“ちょっとだけよ”なんてやってね。そんなこともありました(笑)」
■コロナの先に「北青山」
先を見すえる角川さん
お世話になった志村さんの別離もあったが、コロナ明けについても少しずつ考え始めているという角川さん。
――コロナ禍について他の歌手の方とお話されたことはありましたか?
「鳥羽一郎さん(68)とも話したんだけど、やはり今は難しいよなあって。少し(コロナが)緩んできたら、何かしたいよなって。鳥羽さんは若い頃に船に乗ってて、海外遺児のチャリティとか若い時からずっとやってるから、僕もずっと協力してるわけ。そういうところは本当に素晴らしい。だから、何かやらなきゃいけないのはわかるけど、今はちょっと難しいよねって……」
――そのときが来たら、2人で何かやろうという話もあるのでしょうか。
「2人だけじゃなく、山川豊(62)もいますし。あとは、北青山(ほくせいざん・細川たかしの出身地の北海道、吉幾三の出身地の青森、山本譲二の出身地の山口の頭文字が由来)っていうね、前川清さん(72)と山本譲二さん(70)と細川たかしさん(70)、吉幾三さん(68)の演歌界のグループがあるんです。コロナが緩くなったら、北青山でイベントできれば良いなとは思っていますよ。今は難しいけど、コロナが緩くなったときに、みんなでいろいろできればと思っていますね」
――やはり今はまだ我慢の時というところでしょうか。
「ずっと我慢になっちゃうような気もするけどね。まだ先は見えない……。今年45周年なんですが、コロナでこんなことになっちゃった。だけど、しょうがないですよ。なっちゃったものは。なるようにしかならない。我慢のときですが、あきらめずにがんばっていきますよ」
演歌界のスターが集まる北青山のステージを楽しみに――今は我慢のときを乗り越えるしかないようだ。