「テレワークで会社の一体感が失われる」は本当か?その問題点と解決法 (2/2ページ)

新刊JP

また、自社のミッションやビジョンなど「未来」を語る時間(これまでは雑談や仕事後の「飲み会」がそこに充てられていた)は、テレワークではとりにくいし、米ヤフーや米IBMがテレワークを禁止した理由として挙げたように、アイデアを共有・発展させにくいという意見もある。これらについては「オンライン合宿」など非日常の場を設け、自分や会社の未来を熱く語る時間をつくることや、社内で使うチャットツール(SlackやChatwork)に自分のアイデアを好きな時につぶやけるチャンネルを作ることで、メンバーとそのアイデアを深める議論をできるようにすることで解決可能だ。

■オンライン会議は本当に「難しい」?

またリモートワークのマイナスポイントとしてしばしばあげられるのが「会議」である。

オンライン会議に参加すると、ある種の不便さを感じることは多い。同時に一人しか話せないため、どうしても会話が一方面的になりがちだ。対面での会議のように、相手の発言中にちょっと割って入ったり、数人で声を揃えたりといったこともしにくい。その意味で、オンライン会議は「議論」が難しい。

本書では、こうしたコミュニケーション上の制約があるオンライン会議での議論は、人数を絞って行うことをすすめている。議論ではなく業務説明を聞く「情報共有」だけが必要な人もいるのであれば、かならずしもリアルタイムで会議に参加する必要はなく「スクリーン録画」機能を使って後から会議の内容を追えば、会議や会議人数の削減になる。

どうしても大人数になってしまう場合は、少人数に分けて議論を行ったり、チャットや共同作業ツールを活用することで、オンライン会議でも効果的な議論ができるようになるという。

また、オンライン会議では、事前の準備が成否を分ける。事前に会議の目的と論点を明確にして、知っておくべき情報を頭に入れておいてもらうことで、進行は格段にスムーズになる

本書では、このほかにもテレワークで起こりがちな問題として、「連絡・相談がしにくい」「メンバーの管理・サポートがしづらい」を挙げているが、ここで紹介した問題も含めて、テレワークで想定される問題はすべて「コミュニケーション」に帰結する。

これらはすべて解決可能な問題であり、解決法を知ることで、テレワークは単純な「出社の代替手段」ではなく、組織の生産性を高め、業績を上げる最適解となる。

テレワークには「向いている会社」「不向きな会社」はない。すべては取り入れ方とカスタマイズの問題である。本書を読めばテレワークをどのように取り入れて、どう運用していくべきかがわかるはずだ。

(新刊JP編集部)

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