国によっていろいろ違う。世界各国の「数」に関する10の迷信

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国によっていろいろ違う。世界各国の「数」に関する10の迷信
国によっていろいろ違う。世界各国の「数」に関する10の迷信

数に関する迷信/iStock

 迷信にまつわる数といえば、西洋だと7や13がもっとも頻繁に出てくる。7という数字は、神話や古代の伝説の中に出ており、幸運をもたらすナンバーだと信じられている。

 13はたいてい恐怖を意味する。特に13日の金曜日の場合、迷信深い人たちは黒猫がいる道を横切らないよう気をつけるし、梯子の下を歩かないようにし、塩をこぼさないように注意する。とはいえ、13がそんなに縁起が悪いかといういうと、そうでもない地域もある。

 ここでは世界各地で迷信として伝わっている「数」をあげてみよう。
・"7、9、13"と言いながら木をたたく(アイスランド)

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 魔除けのために木をたたいたり、木に触れたりするという迷信は、多くの国で知られている。魔物を退けるだけでなく、木に触れる者に幸運を引き寄せるという。

 アイスランド人は、"sjo niu trettan(サー・ニー・プラッタン)" と言いながら木をたたく。これは、"7、9、13"という意味だ。

 アイスランドでは、3と4を足してできる7は魔法の数字だと考えられている。3と4は精神と物質世界を表わしている。

 9は3を3回掛けたものなので、三位一体の数字。13は、6年毎に13ヶ月あるという昔のローマ歴からとったと言われている。いわゆる、うるう月はあまり良くないとされ、それが最終的に悪運に結びついた。

 "7、9、13"というフレーズは、良い数字にも悪い数字にも敬意を示すことで、悪運を遠ざけ、幸運を呼び込むという考え方からきている。


・13日の火曜日(スペイン)

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 スペインの場合、13日の金曜日ではなく、13日の火曜日に迷信がある。13日が火曜日の場合、万が一の不運に備えて、家を出るときに気をつける習慣がある。

 軍神マルスは、火曜日を支配していると言われている。火曜日は彼の名前からとられていて、この日は暴力や死と結びついている。コンスタンティノープルが陥落したのは、1204年4月13日の火曜日だと信じられている。

 伝説によれば、バベルの塔の建設の後で起こった言葉の混乱もまた、13日の火曜日に起こったとされている。そして、忘れてはならないのは、ヨハネの黙示録の第13章は反キリストの到来を告げている。そのため、13という数字はさらに不吉なものになった。

 火曜日はいつしか嫌われるようになり、この日に"結婚してはいけない"、"ボートに乗ってはいけない"、"家を出てはいけない"という迷信が生まれた。


・幸運の”8”(中国)
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 2016年、シドニーのオフィスビルが、8888万8888豪ドルで中国人デベロッパーに売却された。

 奇妙な数字だが、中国では”8”という数字は非常に幸運な数字なので、この物件は売りに出されて数時間で即売した。

 価格が”8”の羅列であるだけでなく、この物件の住所はシドニーのアルフレッド通り88番地という”8”づくし。買い手のほうから、幸運を得るために販売価格に”8”を含めるようリクエストされることも多いという。

 高層アパートの家を買ったある人は、どうしても8階あるいは”8”のつく部屋に入りたいとこだわったという。

 中国で”8”は、イベント、航空会社、自動車、マイクロチップのタグ、レストランのメニューなどでもよく見かける。2008年の北京オリンピックは、現地時間の2008年8月8日の午後8時8分8秒に始まったし、ペトロナスツインタワーは88階あり、四川省成都(都市コード28)にある四川航空は、超覚えやすい電話番号8888-8888を28万米ドルで買いとった。ちなみに中国の国コードは86だ。


・不幸の”4”(アジア)

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 アジアで”4”は建物や飛行機の座席、スーパーの通路などで避けられる数字。中国語や日本語では、4は(シ)と読めるため、その発音が”死”と同じためだ。その結果、アジアの多くの企業ではこの数字を避けるようになった。

 このように”4”を異様に怖れることをテトラフォビア(4恐怖症)という。2000年代が始まった頃、アルファロメオ社は、144モデルの車の名前を変えた。”4”という数字がついているために、この車を買うのをためらうシンガポールでの販売を強化しようとしたためだ。

 同じ理由で、ノキアは”4”で始まる携帯電話モデルの発売をストップした。北京では、”4”を含むナンバープレートの製造が中止され、多くのアパートや病院では、”4”階フロアは存在しない。日本では、”4”と”9”を組み合わせた”49”という数は、"苦しんで死ぬ"という言葉と同じ発音になるため、特に縁起が悪いと考えられている。


・獣の数字"666"

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 "666"は、黙示録に出てくる7つの頭と10本の角をもつという獣と関係があり、第13章で獣の数字と呼ばれている。6は反キリスト、つまり悪魔のシンボルとされるようになり、ヘクサコシオイヘクセコンタヘクサフォビア(666恐怖症)とつながる。(実際には616という説もある)

 悪魔の意味あいがあるため、迷信深いアメリカ人の多くは、その不吉な理由から666は、銀行システム、社会保障システム、医療および人事記録、UPCパーコードなどに暗号化されていると決めつけている。

 この数の番地に住むのを拒む人もいるし、車の走行距離が666で止まるのを嫌がって、667に変わるまで走らせる人も多い。

 アメリカでは、国道666号線は悪魔のハイウェイとして知られるようになった。ここで、起きた事故がハイウェイそのものが引き起こしているという噂がたったせいだ。元大統領の故ロナルド・レーガンとの妻ナンシーは、入居した後でベルエアの自宅の番地を666から668に変えた。

 666は、必ずしもすべての人にとって悪い数字ではない。2017年10月13日金曜日、デンマーク、コペンハーゲンを13番目に出発したフライト666は、HEL(ヘル)に安全に着陸した。HELは地獄ではなく、フィンランドのヘルシンキのこと。


・ 偶数は縁起が悪い(ロシア)

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 ロシアでは数字がらみの迷信が多い。ほかの国と同様13日の金曜日は禁忌で、この日に玄関口をまたいで握手を交わすのを嫌う。これは、不幸をもたらすという家の精霊ドモヴォイを怒らせる行為らしいが、とくに13日の金曜日にやってはいけないという。

 相手の美貌を褒めたり、赤ん坊の健康を祈ったりしてから、左の肩越しに3度唾を吐くのは、珍しいことではない。

 左側の3つの数字の合計が、右側の数字の合計と等しいとき、バスのチケットを食べたりする人すらいる。これは幸運をもたらすと信じられているからだ。

 新生児は、少なくとも生後40日が過ぎるまでは、他人に見せびらかしてはいけないという。

 人に花を贈るときは、偶数本のブーケはいけない。偶数本の花のアレンジは、葬式のためのもので、ロシアでは偶数は縁起が悪い数とされている。


・ 四つ葉のクローバーは幸運(アイルランド)

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 四つ葉のクローバーは、もてなしとリバーダンスでよく知られるアイルランドでは、聖パトリックの日と同じくらい、この国の一部になっている。

 中世では、子どもたちは四つ葉のクローバーを持っていると、妖精を見ることができると信じていた。四つ葉のクローバーは、魔法の庇護を受けることができ、不運を追い払うことができるという。

 アイルランドには、ほかにも多くの迷信がある。カササギにまつわるわらべ歌で、何羽見たかで、運命がわかるという。

一羽は哀しみ、二羽で喜び、
三羽は女の子、四羽は男の子、
五羽は銀、六羽は金、
七羽は決してもらしてはいけない秘密

 一羽だけカササギを見たら、自分にふりかかるかもしれない呪いを解くために、それに挨拶しなくてはならないそうだ。

 また、アイルランドでは、葬列が通り過ぎるとき、車の数を数えてはいけないという。数えてしまうと、残されたあなたの寿命がわかってしまうからだという。


・17日の金曜日(イタリア)

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 イタリアでは、17日の金曜日は陰鬱な日とされている。17は縁起の悪い数字と考えられているからだ。逆に、13は縁起のいい数字だという。

 17が不吉だとされるのは、大洪水が2月17日に起こったと信じられているのに起因するらしい。さらに金曜日は、キリストが磔刑になった日とされ、この日は呪われているとされている。

 キリスト教では、11月1日は諸聖人の日、11月2日は万霊節または死者の日。11月は死者の月と呼ばれているため、この月の17日が金曜日にあたると、最悪の日ということになる。

 イタリア人は、17日の金曜日には、赤い角のついたペンダントや蹄鉄、年老いたせむし男の像などのお守りを持ち歩き、信じない人たちにこう言う。「結婚したり、家を出たり、なにかを始めるときは、金曜日でも火曜日でもない日にしろ」と。


・13番地(ニュージーランド)

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 ニュージランド人は、とくに新築の家に入るときに、ほかにはない独特な迷信を信じている。新居の各部屋をパンと塩を持って歩き回るだけでなく、新居にやって来た客も塩と炭を持ってこなくてはならない。また、火災を避けるために、処女のシャツを壺のの中に入れて、庭に埋めるという。

 こうした儀式を行う前に、まずは新居を購入しなくてはならないが、13という数字が不吉だと意識されるのはこの売り買いのプロセスの間だ。

 2016年のデータからは、”13”は家を売ろうとしている人にとってアンラッキーな数字だったようだ。オークランドのミッションベイでは、番地に13がつく家は、ほかの場所の家よりも39万ドルも安かったという。

 ところが、グレンダウィーやノースコートのような地域では、13はむしろラッキーナンバーで、13の番地をもつ家はほかよりも価値が高かったという。


・”23”に取りつかれたFacebook”グループ


William S. Burroughs - 23 Skidoo

 ”23rdian”というのを聞いたことがあるだろうか? 23という数字に憑りつかれた”Facebookユーザーのグループのことだ。

 これは、ウィリアム・バロウズという人物の主張が始まりだとされている。バロウズは、23年間海で無事故だったと自慢していた船長と会ったが、ちょうどその同じ日に、船長が乗った船が沈んでしまったという。

 さらにその夜、バロウズはラジオでフライト23便がフロリダで墜落したというニュースを聞いたと話した。その飛行機のパイロットは、船長と同じクラークという名前だったが、ふたりとも死んだのだ。

 これらの事件後、バロウズは”23”という数字に異様に憑りつかれるようになり、それをノーベル賞受賞者の数学者ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニアなど、多くが受け継いだ。ナッシュは、”23”は自分の大好きな素数だと言っていたという。

 ”23”は、悲劇や死を想起させる不吉な数字だと考えられている。

 例えば、ニューヨーク、ワールドトレードセンターのツインタワーは、2001年9月11日攻撃されたが、この数字をすべて足すと、9+11+2+0+0+1=23になる。ジュリアス・シーザーは、23回刺されて死に、カート・コバーンは、1967年(1+9+6+7=23)に生まれ、1994年(1+9+9+4=23)に死んだそうだ。

References:Top 10 Superstitious Beliefs Involving Numbers / written by konohazuku / edited by parumo
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