広島県北部ではお正月に「ワニの刺身」を食べるらしい (3/3ページ)

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お正月には欠かせない料理の一つかもしれません」

広島県でのサメ食について書かれた論文「広島県におけるサメ食慣行の伝承に関する考察―口和町の「ワニ」料理を中心に―」(升原且顕)によると、サメの肉にはアンモニアが蓄積されていて、臭いがあるのだそう。その臭いを消すために生姜醤油で食べるのが一般的だという。

ちなみに、このアンモニアのおかげで腐りにくく、半月ほどは刺身で食べられるそう。三次など広島県北部の山間地域では、明治時代からハレの日の料理としてサメの刺身が食べられていた。交通が未発達だった時代、海から離れた場所でも生の状態で食べられる数少ない魚がサメだったらしく、

「サメを『ワニ』と呼んだ人々にとって、この食材は遠い海を感じさせるものであった。
これを食べることが正月や祭りの楽しみを倍加させたのである」

と著者は説明している。

今回、ワニの刺身を食べた幣束さんのツイートにはこんな声も寄せられていた。

「私の亡き父が広島の県北出身なので、お祝い事やお正月は必ずワニの刺身を食べていました。懐かしいです」
「地元では切り身をお醤油で漬けて焼いたものがお正月のごちそうとして、 あとは『すくめ』と言って頭を茹でてほぐした身を大根おろしとお味噌、砂糖で味付けたものもあります」
「広島県人なので三次で食べましたが、お刺身もフライもなかなかおいしかった覚えがあります」

12月3日13時15分追記:記事初出時、文中の表記に一部誤りがあったため修正しました。

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