代替肉は海から採取。昆布を使って作る昆布肉バーガー(アメリカ)

カラパイア

代替肉は海から採取。昆布を使って作る昆布肉バーガー(アメリカ)
代替肉は海から採取。昆布を使って作る昆布肉バーガー(アメリカ)

昆布から作る昆布肉 image credit:Akua

 近年、環境を配慮した二酸化炭素削減対策が進んでいる。食生活の中でも、肉の代替品として植物由来の肉培養肉が注目を浴びていることは、これまにでカラパイアでもお伝えした通りだ。

 アメリカのメイン州にある企業は、土地の劣化や空気・水の汚染を軽減し、二酸化炭素を削減するための手法として、海の海藻“ケルプ”を使った「昆布バーガー」を開発中だ。

 持続可能な海洋生物を使用した食品は、経済的にも環境にもやさしく、地球に利益をもたらすことが期待されている。『Fast Company』などが伝えている。
・海の昆布を肉の代用品に

 陸の樹木が巨大な炭素吸収源となるように、海中のワカメや昆布などの海洋生物も「ブルーカーボン」と呼ばれ、近年では環境対策に大きな関心が寄せられている。

 アメリカのメイン州を拠点とし、海藻を使った「昆布ジャーキー」を既に販売している企業『Akua』は、このほど一歩進んだ「昆布バーガー」の開発を手掛けていることを発表した。

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image credit:Akua

 Akuaの共同創設者でCEO(最高経営責任者)のコートニー・ボイド・マイヤーズさんは、このように話している。

海藻に惹かれた理由は、複数あります。まず、健康にいいということ。そして、環境にもいい。

海藻を使ったフードシステムを考えると、海藻は成長するために乾燥した土地や淡水、肥料を飼料を必要としません。地球で食料を供給するために、費用のかからない食料を豊富に育てることができれば、最高でしょう。

昆布農場は、自然に多くの炭素を隔離するため、市場に昆布農場が拡大すれば更に多くの二酸化炭素排出を吸収するのに役立ち、それは大きな経済的影響をもたらします。

漁師たちも漁業への負担が軽減し、海のガーデナー(庭師)として生計を立てることが可能になる日も来るかもしれません。

・昆布バーガー生産のための資金を調達中

 非営利の世界資源研究所の報告によると、海洋の持続可能性に1ドル投資することでに、地球に5ドルの利益がもたらされるという。

 Akuaは、昆布バーガーを作ることで持続可能な海洋慣行への投資が世界的に大きな利益をもたらすことになると期待しているようだ。

 現在、メイン州沖の昆布農場の協力を得て昆布バーガーの開発に取り組むAkua。その材料には、海藻以外にブラウン・マッシュルーム、黒豆、キヌア、トマト、えんどう豆などが使用され、ミネラルやたんぱく質が実に豊富に含まれている。

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image credit:Akua

私たちの会社では、他企業の肉代替品のように肉を模倣する意図はありません。でも、肉を食べる人には満足してもらえるのではと思っています。

バーガーは、メイン州で愛情込めて育てられている昆布と、きのこの凝縮された“旨み”を含んでいます。最初は食感に躊躇う人もいるかもしれませんが、すぐに慣れることでしょう。

海からの材料ですが、魚の味は一切しません。近年、きのこの人気が高まっているように、今後海藻も同じ軌道を辿れることを期待しています。(マイヤーズさん)

 ちなみに、インポッシブル・バーガーには14グラムの脂肪が含まれているが、そのうち8グラムは飽和脂肪だ。

 ビヨンド・バーガーも18グラムの脂肪の中に5グラムの飽和脂肪が含まれている。しかし、Akuaの昆布バーガーは、14グラムの脂肪の中の飽和脂肪はゼロだという。

 現時点では、この昆布バーガーの販売に向けてAkuaは更なる技術を開発中であり、生産への資金をクラウドファンディングサイトで調達中ということだ。

 さてそのお味はどんな感じなのだろう?昆布で出汁を取る文化を持つ日本人の口には合いそうな予感もするけどどうだろう?

written by Scarlet / edited by parumo
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