14歳で施設に保護された老猫に最高のパートナーが見つかる。これからはおばあさんと余生を共に(アメリカ)
老猫とおばあさんが最高のパートナーに image credit:Facebook
今年5月、アメリカのメリーランド州にある動物保護施設に1匹のオス猫が連れて来られた。その猫は14歳で、人間でいう所の高齢期である。
施設スタッフらは猫が穏やかに天寿を全うできるよう、最適な飼い主を探していたがなかなか現れなかった。だがそこに思いがけない幸運が舞い込んだ。
施設のボランティアスタッフが89歳の自分の母親が孤独で寂しがっていることを思い出し、両者を引き合わせたところ、一瞬でお互いに引き寄せられたのだ。
まるで昔から一緒にいたかのように、おばあさんの傍に寄り添う猫。両者は最高のパートナーとして、現在穏やかで幸せな日々を過ごしているという。
・14歳の灰色猫、施設に預けられる
今年5月、メリーランド州にある動物保護施設『Friends of Anne Arundel County Animal Care & Control, Inc.』に、14歳の灰色猫が連れて来られた。
image credit:Friends of Anne Arundel County Animal Care & Control, Inc/Facebook
どういう経緯があり、飼い主と離れてしまったのかは不明だが、LL Cool Jと呼ばれるその猫はとても人懐っこく、スタッフらは是非とも余生を過ごせる永遠の家と最適なパートナーを見つけてやりたいと思った。
LL Cool Jは、人が近づくと鳴き声をあげて頭をすり寄せてきます。とてもフレンドリーで愛情深い猫だということがわかりました。年を取っていても気持ちは若く、窓際の日光浴が大好きのようです。(スタッフ)
image credit:Friends of Anne Arundel County Animal Care & Control, Inc/Facebook
スタッフは、LL Cool Jのために里親を手配する準備を整えた。しかし、数か月間待っても新しい飼い主が現れることはなかった。
・老猫に最適のパートナーが見つかる
そんなある日、施設にやって来たボランティアスタッフの1人が、LL Cool Jを見て自分の母親のことが頭をよぎった。
スタッフの母親は89歳で、現在生活補助施設に入居している。そこは介助は必要としていないが、高齢のため日々の生活のちょっとしたことを補助してくれる職員がいる施設だ。母親はコロナ禍の中にあってとても寂しい思いをしていた。
支援の必要な高齢の施設入居者たちにとって今の状況は深刻だ。家族が訪問することもできなければ、触れ合ったりすることも叶わない。
幸いにも、その施設ではペットを飼うことが認められている。母親にこの猫は最適だとそのスタッフは感じたのだ。
母親に猫の話をしたところ大変興味を示し、一緒に暮らすことを望んだ。そこでLL Cool Jはレイヴンと改名し、おばあさんのもとへと引っ越した。
image credit:Friends of Anne Arundel County Animal Care & Control, Inc/Facebook
レイヴンは、おばあさんに出会った瞬間、運命を察したのかもしれない。すぐに彼女に寄り添う仕草を見せた。そんなレイブンを見ておばあさんも大きな笑顔を見せた。お互いがお互いを必要としていることを瞬時に悟ったようだ。
image credit:Friends of Anne Arundel County Animal Care & Control, Inc/Facebook
現在、レイヴンは最適なパートナーと一緒に、ゆっくりと穏やかな時間を過ごしながら、とても幸せに暮らしている。
もしおばあさんに何かがあっても、おばあさんの施設ではレイブンをかわいがってくれる人たちが他にもたくさんいる。
レイヴンは天寿を全うするまで、そこで穏やかに過ごすことができるだろう。
written by Scarlet / edited by parumo