アイドルで坂道オタ！　前田美里の「坂道が好きだ！」　第５５回

　近年、さらに加熱する坂道シリーズ。その人気は多種多様のファンを生み、ついには同じアイドルながらにアイドルを推すという熱烈な「坂」ファンが現れた。それが坂道オタ界隈でもガチ勢と認められるグラビアアイドル前田美里だ。彼女とともに坂道の魅力に触れていきたい。

■「選抜制」の良し悪し

――やっぱり選抜制にもメリット・デメリットみたいなものがあると思うんですけど、例えばいいところとしては「常に緊張感を持ち続けられる」というのがあるんじゃないでしょうか。

　私はグループにはそれが一番大事だと思いますね。全員選抜だとダラけちゃうっていうのも絶対にあると思うし、ひとりひとりに向上心があったとしても、それをグループとして表に出す難しさを（グループアイドル時代に）感じてきたので、私は（選抜制は）あったほうがいいと思いますね。

――人気メンバーが未だに謙虚だったりするのも、常にある程度の緊張感や危機感を持っているからなんでしょうね。

　そうですよね。あとはグループに“ちゃんと言える人”がいることも大事だと思います。『乃木坂って、どこ？』（『乃木坂工事中』の前身番組）で、２期が入りたてのときにまいやん（白石麻衣）が「２期はプロ意識無い」「叩き直したい」みたいなことをバシッ！と言ってたのが印象に残っているんですけど、そういうちゃんと締める人がいないとダラけちゃうこともあるだろうから。

――まだその頃の２期生は、ほとんどのメンバーが選抜制とは関係ない「研究生」という立場でしたからね。一方で弊害としては、後から加入したメンバーほど選抜入りするのが困難になるっていうのがあると思うんですよ。

　う～ん、そうですね。３期とか、選抜に選ばれるメンバーがある程度固定してきてしまう側面もありますもんね。

――人数が多いＡＫＢ４８はその最たるものだと思うんですけど、乃木坂４６でも選抜入りするのはだいぶ困難になってきました。

　確かにそうですよね。でも乃木は４期生の賀喜遥香ちゃんや遠藤さくらちゃんがいきなり選抜入りしたり、３期が入ったときも大園桃子ちゃんとか与田っちょ（与田祐希）がいきなりピックアップされたりしていたから、（ＡＫＢ４８グループに比べて）そういう道は用意されているんだなって感じました。

――とはいえ堀未央奈さんが２回選抜落ちしたことがあるように、一度センターに選ばれたからといって安心できないところもあったりします。

　それもあるし、３期も４期もいっぱいいるから最初の推されるメンバーに選ばれるまでも大変ですしね。だから『ノギザカスキッツ』（日本テレビ系）みたいに選抜に選ばれなくても活躍できる場所というか、キャラを見つけられる場所があるのは良いことだなって思いました。

■選抜入りしてほしい３・４期生

――『ノギザカスキッツ』には３期生も加わりましたしね。ちなみに３・４期で「この子が選抜に入ったらいいのに」と思っている推しメンはいますか？

　私、キャラ的には向井葉月ちゃんがすごい好きです。最初入ったときにガキんちょっぽいなと思ってて……たぶん私、そういう人が好きなんですよね（笑）。でも、最近すごい垢抜け始めたじゃないですか？　だからたぶん、もっとピックアップされたら、まだまだ変わっていくんじゃないかなって思いますね。

――北野日奈子さんといい、守屋茜さんといい、やっぱり負けず嫌いの人が好きなんですね。

　そうですね。葉月ちゃんは負けず嫌いですし、ライブで前髪がすごいことになりながら踊ってるじゃないですか（笑）？　みんなはいかに前髪が崩れないように踊るか、いかに汗をかかないように踊るかみたいなところがあるのに１人だけいつもすごいから、そういうのも１つのキャラとしていいなって（笑）。だから、いつか輝ける日が来たらいいなと思いますね。

――４期生ではどうでしょう？

　最初の合同オーディションのときは筒井あやめちゃんでしたね。『ノギザカスキッツ』を観てからは、キャラ的には早川聖来ちゃんが好きだなって思いました（笑）。だからやっぱり、ああいうコント番組をやることでキャラがハッキリしてくるのはすごい良いことですよね。私、最初は（４期生の）顔を確実に認識出来てるかっていったら出来てなかったんですけど、あの番組でみんなそれぞれのキャラが立ち始めてきたし、そのなかでも早川ちゃんはすごい良いなって思ってきましたね（笑）。

――早川さんはメインどころではないかもしれないけど、バラエティの外番組とかにたくさん出られるかもしれないですね。たとえ選抜に選ばれなくても、山崎怜奈さんのように外番組で活躍できるケースもありますし。

　ラジオ番組とかもそうですし、みんないろんなところで自分の好きな仕事ができてますよね。卒業生でも最近佐々木琴子ちゃんが声優事務所に入りましたし、選抜に選ばれなくても自分のやりたい方向性で活動できているみたいだから良かったなって思いました。

（取材・文＝鎌形剛）