宇宙空間でもグングン育つよ。初の根菜、ラディッシュの成長記録を早回しで
映画「オデッセイ」のように人類による火星の長期滞在には宇宙での自給自足が不可欠だが、先月末この問題に取り組むNASAの宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)で初めて育ったラディッシュを収穫した。
今までのレタスなどの葉物とは違う根菜類の栽培をみごと成功させたNASAは大喜び。彼らが「歴史的な収穫」と評するラディッシュの27日間にわたる成長をタイムラプスで見てみよう。
Radishes Growing in Space: 27 Days in 10 Seconds
・ラディッシュできたよ!歴史的な収穫
先月30日、NASAの宇宙飛行士ケイト・ルービンスさんが国際宇宙ステーションで育った初めてのラディッシュ(ハツカダイコン)を収穫。NASAはこの記念すべき光景を「歴史的な収穫」と報じている。
ぴょこぴょこっと出てきた葉っぱがグングン伸びて…

わずか27日でこんなに茂った!

あとは収穫を待つだけに

・ラディッシュできたよ!歴史的な収穫
有人火星探査を目指し野菜栽培技術「ベジー(Veggie)」を推進するNASAの宇宙飛行士はこれまでもレタスのほか水菜など葉物を中心に、さまざまな野菜を栽培している。
そのうちの一部は宇宙飛行士の食事に貢献したが、大半は分析のため地球に送り返された。ルービンスさんがこのほど収穫した20本のラディッシュも同様に地球に送られる。
ラディッシュを収穫した宇宙飛行士のルービンスさん

・繁殖する植物や最良の品種決定に役立つ実験
今回の栽培はPlant Habitat-02(PH-02)という実験の一部だ。このプログラムのマネージャーであるニコール・デュフォー氏は、NASAの声明でこう述べた。
さまざまな作物の栽培は、微小な重力で繁殖できる植物の品定めだけでなく、長期ミッションを行う宇宙飛行士に最良の品種や栄養バランスの決定に役立ちます
今回収穫されたラディッシュはホイルに包まれ、来年予定されている地球への旅に備えて冷蔵倉庫で眠っている。一方、地球にいるチームは比較用の作物を栽培中だ。宇宙で育った作物との違いを調べるためISSの栽培装置と同様の装置で栽培をすすめているという。
・宇宙で生産できる新鮮な食料を求めて
こうした植物実験は、月や火星に向かう宇宙飛行士に新鮮な食事を提供するためのもの。
地球を離れて何カ月から何年もの間フリーズドライ食品のみで過ごすのは過酷だし、補給のコストも高くつく。そういう意味でも宇宙で生産できる食料は絶対に必要なのだ。
こうした事情から研究者たちはあらゆるものを調べている。その対象は培養肉はもちろん人間の排泄物とバクテリアからできるベジマイト風な食べ物など幅広く、もはや味どころではない。だがその場で穫れる野菜なら宇宙飛行士にとってもはるかに魅力的だ。
ISSの次なる実験は種子から作る作物だという。一歩ずつでも着実に進められるミッションの成功を願わずにはいられないが、宇宙でフレッシュサラダが手軽に食べられる日はそう遠くないのかもしれない。
References:cnet など /written by D/ edited by parumo