三浦春馬さん「行くぜよ」「忠信孝悌」…三浦翔平と西川貴教が語り継ぐ「魂の言葉」

日刊大衆

三浦春馬、三浦翔平、西川貴教
三浦春馬、三浦翔平、西川貴教

 12月11日に公開された主演映画『天外者(てんがらもん)』の完成を見ることなく、この世を去ってしまった三浦春馬さん(享年30)。15日発売の『週刊女性』(主婦と生活社)は、映画公開を記念した追悼企画として、小冊子『天外の表現者 三浦さんを偲んで…』を掲載。これまでの撮り下ろし写真や、生前三浦さんと親交が深く『天外者』でも共演していた三浦翔平(32)とT.M.Revolution西川貴教(50)が三浦さんの思い出を振り返っている。

「『天外者』では、春馬さんは五代友厚、翔平は坂本龍馬、西川は岩崎弥太郎、今回の対談には登場しませんが森永悠希が伊藤博文をそれぞれ演じていて、“日本の夜明けを目指す4人の同志たち”として、多くのシーンで一緒に画面に映っていました。幕末に龍馬が暗殺された後も、西川は終盤まで三浦さんとの絡みが多かった。それだけに、多くの思い出を語っていましたね」(女性誌記者)

 たとえば、撮影は京都ロケだったのでほぼ毎日翔平は春馬さんと食事しながら演技について語っていたというが、ここで翔平は春馬さんのお茶目な姿を振り返っている。

■「飲みに行くぜよ!」

 翔平は、クランクイン前日なのに飲みに誘われたことを振り返り、

「本当に行くのか確認したら、アイツ豪快に“行くぜよ”って言いましたから(笑)」

 と語っているのだ。

「こういう茶目っ気たっぷりな部分は、本当にふつうの若者と変わらなかったんだと思うと、ちょっと切なくなりますね。翔平は春馬さんを“いつも人のことを気遣って自分のことは後回しというところがあった”としていることから考えて、翔平とは気を使わずに楽しく飲める間だったことが実感させられます」(前出の女性誌記者)

 実は、翔平は春馬さんが直々にオファーをかけていたことが、映画パンフレットの座談会で明らかとなっている。翔平は撮影の2年くらい前に食事に行った時を振り返って、

「“龍馬をやって欲しいんだ”と春馬から言われました。いきなりでしたが“最近一緒に演じていないので久しぶりにやりたいね、春馬と一緒ならできる気がする”と話したんです。その時点ではまだ軽く受け止めていたんですが、後々正式に出演オファーが来て」

 と、明かしている。春馬さんが、役者としても翔平を信頼していたのがよく分かる。

■2人で熱演した名シーン

『週刊女性』の対談でも映画パンフレットでも、翔平は中盤、龍馬と五代がお互いに「俺が先じゃ!」と言いながら船のマストを登り、太陽に向かって叫ぶ場面を思い入れ深く語っている。

「10年ぶりに一緒にした仕事で、2人だけ、そして、“お互いのいままでの力を発揮する場でもあったので”甲板のシーンには、お互いにすごく思い入れがある、と話しています。また、翔平は、三浦さん演じる五代が腐りかけているとき、翔平演じる龍馬が“一人やない。おるやろここに”と語りかけるセリフが心にずっと残っているそうです」(前同)

 映画内での希望に満ちた力強いまなざしと笑顔は、10年ぶりの共演に心躍らせている春馬さんと翔平そのもの。本来ならこの場面について、お互いに語り合うインタビューもあったのかも、と思うとやるせない気持ちになるが、翔平の心に強く残るのもよく分かる素晴らしいシーンだった。

■「春馬はやる気しかない男だった」

「西川も、『週刊女性』で“いま思うとこの映画の撮影は純粋にすごく楽しい時間だったんですよね。だからこそ、あいつがいまここにいないのがね”と残念そうにしていたほか、三浦さんが歌手活動もいよいよこれから、という折の訃報だったことにも言及していました」(前出の女性誌記者)

 西川は、19年の年末に春馬さんが歌手として『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)で『Fight for your heart』を歌ったことを振り返り、

「これから役者以外の部分でも自分らしくやっていくのだと思っていたし、『どんどんやればいいじゃない』と言っていたさなかのことだったので、もっと、そういう姿を見たかったですね」

 としていた。

 一緒に演技をした感想については、

「春馬はやる気しかない男だった。だからこの作品の中で生きた彼を、彼の意思を、我々共演者それぞれが一人でも多くの人に届けようと頑張っている最中なんです。こいつ(春馬)の思いをね、ちょっとでも抱えて、一人でも多くの方に、こいつのめちゃくちゃいい顔を見せてやるんだと、そう思っています」

 と、熱く語っている。

■「ベストを尽くすことができた」

 そして、春馬さんも生前、『天外者』について、役者という仕事について言葉を残していた。今年4月の著書『日本製』(ワニブックス)のインタビューで、

「史実を扱う責任の重さや自分の意識の変化を実感した」「プロジェクトがあり、一つの作品を作るうえでこんなにも大勢の人が関わっているという実感をいつも以上に感じられる現場だった」

「五代さんを演じた期間はとても充実していたし、三浦春馬という俳優としても、ひとりの男性としても、ベストを尽くすことができたと胸を張って言える作品になった」

 と、語っていた。役者として、非常に真摯に“五代友厚”を演じていたのが伝わってくる。

「ちなみに、田中監督が言うには、春馬さんは五代が大隈重信に宛てた『上に立つ者の心得五ヶ条』を読んで五代友厚という人間を理解したほか、監督に“これと同じ思いの四字熟語があります”として、実は監督自身も大切にしていた儒教の徳目である“忠信孝悌”(※誠意を込めて親や目上の人に仕えること)を、春馬さんは紹介していたそうです。漢詩や故事成語にも精通していたあたり、本当に勉強家だったんですね……」(前出の女性誌記者)

 役者として生き、多くの言葉を残してきた三浦春馬。彼が遺した多くの言葉は、五代のようにこれからも語り継がれていくーー。

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