『濱マイク』映画監督・林海象インタビュー「モットーはいつでも撮る、どこでも撮る、どんな条件でも撮る」 (2/2ページ)

日刊大衆

 おかげさまで、作品は評判を呼んで、お客さんもいっぱい入ってくれました。『夢みるように〜』がなかったら、今の僕はないでしょう。『夢みるように〜』も、『私立探偵濱マイク』シリーズも、僕の作品にはよく探偵が登場します。子どもの頃からの憧れの存在だったこともありますが、面白いのは、探偵って何かを探しますよね。「探す」ってことは、それ自体が「物語」になるんです。しかも探偵や殺し屋なんて、現実世界にはあまりいないじゃないですか。そういう虚構の世界にしか存在しない人物を描くのが好きなんですよね。

■映画って撮り続けなきゃダメなんですよ

 僕は、自分を“ファンタジーアクション”の監督だと思っています。そうした意味で、新作の『BOLT』は、「原発」をテーマにしているので、自分にとっては新しい挑戦かもしれません。ただし、社会問題を扱いながらも、自分が撮るからには、社会派というよりは“脱原発エンターテインメント”にしたかった。

 だから、近未来SFのような雰囲気で描きたかったし、ファンタジーの要素も持たせました。原発内のシーンでは、潜水艦を舞台とした映画『Uボート』のような息苦しさも出せたので、ちゃんと娯楽作にできたかなと思います。

 劇場公開映画としては7年ぶりの新作になりますが、2年ぐらいかけて作っていたので、あまりブランクが空いたという感覚はないですね。映画って撮り続けなきゃダメなんですよ。そうしないと“映画細胞”みたいなものが落ちて、ますます動けなくなってしまう。

「いつでも撮る、どこでも撮る、どんな条件でも撮る」というのが僕のモットーです。でも、いざ撮るとなったら、ものすごいエネルギーをため込む必要がある。それでも、これだけ長く続けて来られたのは……やっぱり映画が面白いから。それしかないですね。

林海象(はやし・かいぞう)
1957年生まれ。1977年に立命館大学を中退し、上京。その後、20数種のアルバイトを経験する。1986年に『夢みるように眠りたい』で映画監督デビュー。主な監督作として『二十世紀少年読本』(1989年)『ZIPANG』(1990年)『私立探偵 濱マイク』シリーズ(1994年~)、『CAT’S EYE』(1997年)などがある。テレビドラマ、舞台の演出も手がける他、東北芸術工科大学映像学科の教授として教鞭もとっている。

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