「トリップアドバイザー」ランキング1位!和歌山の人気テーマパークの苦悩と再生 (2/2ページ)

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そして私以上に、周囲の社員の皆さんは、私の言葉や行動によって傷ついていたはずです。(p.27)

山本氏は当時のことをこう振り返る。そしてその時の自分の思い悩みはどれも「自分本位だった」とも。

転機となったのが、スターバックスコーヒージャパンのCEO(当時)だった岩田松雄氏の講演だった。スターバックスは、単にコーヒーを提供するだけでなく、「スタバ」でないとできない体験を提供することで成功した企業。それは山本氏がアドベンチャーワールドで成し遂げようとしていたこととよく似ていた。

「経営において大切なのは、戦略ではなく社員一人ひとりが自ら考えて行動できるマネジメントである」と語った岩田氏は、そのために必要なものとして「ミッション(企業理念)」と「権限移譲」の二つを挙げた。この言葉が山本氏にとって決定打になった。

アドベンチャーワールドでしかできない体験は、経営者である自分が作るのではなく、従業員が作るもの。そのためには企業理念を共有したうえで、社員が自ら考え、判断する権限を与えなければいけない。山本氏はそこで、自分がそうした権限を与えてこなかったこと、そして自分自身の中に「理念」と呼べるものがないことに気づいたのだった。

「自分に関わるすべての人を笑顔にする、幸せにする。そのことで私は喜びを感じるし、生き甲斐を覚える」

自分自身と向き合うことでこんな答えにたどりついた山本氏は、この答えをアワーズの経営に落とし込み「こころでときを創るSmileカンパニー」という理念を掲げた。この理念の設定と浸透によって、従業員たちの働き方も変わっていったという。

もちろん、会社の理念を従業員たちに浸透させていくといっても強要したのでは意味がないし、そもそも意識改革には時間がかかる。本書では、そのためのアワーズの取り組みについても紹介されている。誰もがいきいきと、やりがいを持って働ける職場が理想なのはまちがいのないところ。自分の職場をそんな空間にするために、本書から学べるものは多いだろう。

(新刊JP編集部)

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