生駒里奈「浅草」若月佑美「若月浪漫」個人PVに見られる先行作品へのオマージュ【乃木坂46「個人PVという実験場」第15回1/5】 (3/3ページ)
https://www.youtube.com/watch?v=sFg7qESMinY
(※若月佑美個人PV「若月浪漫」予告編)
内村宏幸が監督を務めたこの個人PVは、乃木坂46のデビュー1年目に放送されていた『乃木坂浪漫』(テレビ東京)を明確になぞった作品である。
日本文学の古典をメンバーが朗読し、メンバー主演のイメージカットと組み合わせて構成される『乃木坂浪漫』という番組は、それ自体がいくばくか個人PVの変奏のような性格を持っていた。
それゆえ、若月主演による同作品は、自らが関わるテレビ番組への明確なセルフオマージュでありつつ、個人PV単体としてみても収まりのいいものになっている。
また、個人PVとしての『若月浪漫』では、若月が朗読する文章も若月によってつづられた物語という体裁をとり、映像なかばでは彼女自身が手がけた絵が採用された。『乃木坂浪漫』にもまして、演者を絶対的な主役に据えるシフトがとられ、若月の才気を伝える場所としての機能も果たしている。
他方、映像中のラストカットでは、演技パートにとある乃木坂46メンバーが出演していることも明かされ、この個人PVのアクセントになっている。
もとより、個人PVに設定されている5分程度という尺の短さは、既存の映像コンテンツを軽やかにパロディ化してみせるうえで非常に相性が良い。
乃木坂46が個人PVを自前の武器として確立していくにつれ、パロディやオマージュ、既知の鋳型を換骨奪胎するような秀作が多く生まれていくことになる。