食べると長寿&健康になる日本全国「おでん」No.1決定戦

日刊大衆

写真はイメージです
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 寒くなると食べたくなるアッツアツの鍋料理。身も心も温まる日本一うまいタネとスープを探すべく、総力取材!

 食品メーカー『紀文食品』(以下、紀文)が毎年行っているアンケート調査【あなたが昨年の秋冬に食べた鍋料理は何ですか?】で、1997年から22年連続1位の記録を更新している“冬のソウルフード”……そう、「おでん」である。日に日に寒さが増してくるこの季節。熱々のおでんで、身も心も温まりたくなるのは、日本に住む人なら当然だろう。しかも、実は、おでんには長寿&健康の効果もあるという。

「さまざまな具材のだしが出るおでんは、調味料も少なめで、とてもヘルシー。具材同士の栄養素の組み合わせによる相乗効果も、大いに期待できるんです」(管理栄養士のshocuicuco氏=以下、イクコ氏)

 たとえば、おでんの“主役級スター”とも呼ぶべき大根、玉子やイカには、こんな組み合わせ栄養効果が。

「大根の食物繊維と、玉子の組み合わせは脱コレステロール。また、イカげそやタコなど、タウリンとの組み合わせは、動脈硬化を予防し、肝機能向上への効果が期待できます」(前同)

 また、男の下半身への働きも絶大だという。

「がんもどきや厚揚げの植物性ホルモン、イソフラボンは、精力減退の遠因にもなる前立腺肥大を改善し、男性機能の強化になる。若返り効果のビタミンEや、亜鉛、良質のタンパク質も多く含んでいます。また、ゴボウ巻のゴボウにはアルギニンが多く、スタミナ効果が――と、とにかく栄養の宝庫です」(同)

 また、全国各地には地域色豊かな、さまざまな「ご当地おでん」があり、その自由度の高さと多様性も、おでんの大きな魅力だ。

「だしだけでも、関西はコンブだしで薄めの味つけ、東京はカツオの濃いめのだし。北海道では名産の利尻コンブなどが使われることが多いようです。関東は色の濃いだしが特徴ですが、北海道でもカツオを使う地域がありますから、実は地域で特徴を大きくくくるのが非常に難しい。具材も含めると、すべてを把握しきれないほど多様性に富んでるんです」(紀文広報担当)

■静岡風や京都風おでんも!

 その中でも特徴的なものを紹介していこう。まずは【静岡風おでん】。

「白いはんぺんではなく、青魚を使った黒はんぺんやナルト巻き、牛スジ、豚モツなど串に刺した具を、コクの深い濃いだしで煮込むおでんです。だし粉(イワシやカツオの粉と青のり)をかけて食べるのも、大きな特徴ですね」(前同)

 牛スジには、パワー系栄養素のコラーゲンも豊富で、「持続力を高めたい人にはオススメの具材です」と、イクコ氏も大絶賛。

 あっさり上品にいきたいなら【京都風おでん】。コンブと淡口しょう油のだしで、豆腐、がんもどき、湯葉などの豆腐類、里芋などの芋類を、上品かつ華やかな味に仕上げたおでんだ。

「里芋の代わりに、京野菜の海老芋が入ると、より本格的になります。だしが濁らないように、火加減はコトコトを心がけるのがポイントです」(紀文広報)

■がんを抑制する作用も

 そして、タコ足や牛スジが欠かせないのは、大阪の【関東煮】。東京おでんが関西に渡り、その呼び名になったといわれている。

「タコはタウリンたっぷりで、トップクラスのスタミナ食。タンパク質も豊富です」(イクコ氏)

 他の食材も栄養価が高く、「関東の地域では魚系の具が多い傾向がありますが、大阪では牛スジなどの畜肉系の具やサエズリ(クジラの舌)が入ってきます。その分、コクがよく出ているのが、だしの特徴でもありますね」(紀文広報)と深い味が楽しめる。

 ちょっと珍しいのは、ゴボウ巻き、牛スジなどを煮込んだおでんを、ショウガじょう油をつけて食べる【姫路風おでん】。

「ショウガのショウガオールは血行を促進し、体を温めて免疫力をアップさせるうえ、新陳代謝も活発にします。また、殺菌作用があり、がん細胞の増殖を抑制する作用も確認されています」(医療ジャーナリスト)

【鹿児島風おでん】は、豚が名産ということもあり、だしのベースも豚。特に何かと忙しい年末には、豚肉のビタミンB1で疲労回復を図りたい。

「麦みそで味つけした甘めのだし、大豆モヤシや、さつま揚げが入ります」(前出の紀文広報担当)

■コンビニおでんも地域差

 身近になっている「コンビニおでん」も、実は地域によって大きな違いがあるという。コンビニジャーナリストの吉岡秀子氏が教えてくれた。

「ファミリーマートは、4つの地域の嗜好に合わせたつゆにしています。東日本はカツオを、西日本はコンブを基本にしただし、九州は焼きあごだしが利いていて、沖縄では豚のだしが入っています。地域になじみのあるだしがプラスされているので、地元で支持を得ているんです」

 セブンイレブンは9つの地域で、だしの味を変えており、「今年は、従来のだしに加え、真鯛のアラだしをプラスしたという情報があります」(吉岡氏)というから驚きだ。しかも、地域によって薬味に違いがあるという。

「北海道は田楽風みそだれ、東北ではショウガみそ、愛知はみそだれ、四国はからしみそを置く店もあります」(前同)

 このご時世、新型コロナ対策が気になるが、「各社が、アクリル板を設置しており、ローソンのものは“おでんシールド”と呼ばれ、話題になりました」(同)というから、この冬も大いにお世話になりそうだ。

 最後に一度で二度おいしい、これらのアイデアも。

「残ったスープに塩むすびを入れてレンチンして、おじやにしても◎。溶き卵を入れればさらに完璧」(同)

「残っただしにカレールーを入れて煮込むと、野菜が煮くずれて、さらにおいしい。麺つゆをプラスして、カレーうどんにしてもいいですね」(イクコ氏)

 どれもおいしそう。皆さんも一度お試しあれ!

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