消息不明の幽霊船、数十年も海をさまよう蒸気貨物船「ベイチモ号」の謎 (3/4ページ)
・その後数十年、海をさまようべイチモ号
だが、ベイチモ号は沈まずにその後も漂流を続けたようだ。
誰のものでもなくなってからまもなく、およそ480キロ東で目撃され、翌年には、アラスカの海岸近くをさまよっているところを再び目撃された。
その後、数十年の間に、ベイチモ号は北極圏の極寒の海で穏やかに漂流しているのを何度も目撃されている。
探検家や通り過ぎる船のクルーが、何度もベイチモ号に乗り込もうとしたが、そのたびにするりと逃げられてしまった。
アラスカ原住民のグループがベイチモ号に乗り込んだことがあったが、ものすごい嵐のため、10日間船に閉じこめられた。

ベイチモ号の舵から氷を取り除くクルーたち
・1969年を最後に消息不明に
1969年、放棄されてから38年後、アラスカ北西岸沖のバロー岬とアイシー岬の間のボーフォート海で氷に閉じこめられているのを目撃されたのが最後になった。
それから40年近くたった2006年、アラスカ州政府は、ベイチモ号始め、アラスカ沿岸で行方不明になっているおよそ4000隻以上の船の捜索プロジェクトを開始したが、現在に至るまで何も発見できていない。
ベイチモ号は、最後に目撃されてからまもなく沈んだというのが定説だが、いまだに世界でもっとも長くさまよい続けている幽霊船のひとつと言われている。
そんなに長い間、無人の船が、とくに氷に阻まれたりしたら、生き残ることはまれだ。
この不沈の幽霊船は、北極海の冷たい泥の海底のどこかに今は静かに横たわっていると考えるのが妥当だが、今もどこかをさまよっていると信じる人も多い。