お正月の鏡餅をのせているアレは何?その他の飾りについても一挙紹介!

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お正月の鏡餅をのせているアレは何?その他の飾りについても一挙紹介!

鏡餅(かがみもち)を飾ると、新しい年がよいものとなる期待感が満ちあふれてきますね。

「ところで、コレは何て名前なの?」

そう訊かれたのは鏡餅をのせる器。トレーの下に、台がついたような形をしています。

縁の下の力持ち、餅の下の三方。

「これは三方(さんぽう)と言って、神様へのお供えや、偉い人に食事などを出すためのものですよ」

答えを聞いたその子は「へぇ、そうなんだ」と言う顔をしていましたが、今回はこの三方について紹介したいと思います。

台の「三方」向に穴があいているから三方

三方は四方に縁(へり)のついた折敷(おしき)というお盆を、四角い筒に載せた形状をしています。

現代では一体化したものがほとんどです、かつては折敷と分離するのが一般的で、厳密にはこの台部分のみを三方と呼びました。

三方という名前は台の三方向に穴(多くは宝珠の形)があいていることに由来し、仏式で用いる時は、三宝と書かれることもあります(以下、三方で統一)。

神様へお供えする時は、三方の穴が開いていない面を神様に向ける(折敷の継ぎ目を自分に向ける)のがマナーで、自分と向き合った神様に対するおもてなしの心を示しましょう。

折敷の継ぎ目が手前を向いているかをチェック。

※たまに台の四方向に穴があいている四方(しほう)もありますが、その場合は折敷の継ぎ目を自分に向けるようにすれば大丈夫です。

現代の生活ではあまり使わない器なので、日ごろ用意のないご家庭も多いと思いますが、ちょっと揃えてみると季節の行事がより味わえるでしょう。

※せっかく買ったのであれば、中秋の名月にお月見団子を三方に積んでお供えするなどもいいですね。

鏡餅のお飾りあれこれ

さて、せっかくですから鏡餅にまつわるその他の飾りについても紹介したいと思います。

鏡餅は年神(としがみ。歳徳神)様へのお供え物、および依代(よりしろ。降臨する際の目印)ですから、神様への感謝と崇敬を示すために心を尽くして飾りつけましょう。

地域やご家庭によって様々ですが、一般的な飾りつけには以下のものなどがあります。

(だいだい)……家が「代々」栄えるように。
杠葉(ゆずりは)……親から子へ円満な世代交代を。
海老(えび)……海老のように腰が曲がるまで長生きできるように。
昆布(こぶ)……今年もよろ「こぶ」ことが多いように。
干柿(ほしがき)……関西方面に多い。よろこびがくる嘉来(かき)にかけた。
熨斗鮑(のしあわび)……寿命や幸せが「のびる」ように。
裏白(うらじろ)……裏が白いから、腹黒さがなく、誠実に生きられるように。
四方紅(しほうべに)……四方に魔除けの紅を塗った敷き紙。
水引(みずひき)……紅白や金銀などの飾りひも。工夫しだいで華やか度UP。
(おうぎ)……末(前途)が広がる(開ける)ので縁起がよい。
(しで)……お供物のケガレを祓う神具(御幣-ごへい)の簡略化。

鏡餅の例。このくらいがちょうどいいかも?

こうしてみると、その多くがダジャレ?で、今も昔も縁起を担ぎたい気持ちは変わらないようですね。

モノによっては現代では揃えるのが難しく、またあんまりゴテゴテ飾り立てるのも……という方は、真心を込めたものであればシンプルであっても神様は解ってくれますから、自分らしいお供えのあり方が一番です。

現代では一揃いのセットで簡単に買える鏡餅ですが、その飾りの一つ一つに新しい年への願いが込められており、それを知っているだけでも鏡餅をお供えする楽しみが増すというもの。

とかく身の回り(こと伝統的な年中行事)にはこうした意味が込められているものですから、興味を持ってみると新しい年も有意義に過ごせることでしょう。

※参考文献:
一条真也『決定版 年中行事入門』PHP研究所、2018年6月
岡田芳朗ら『年中行事読本 日本の四季を愉しむ歳時ごよみ』創元社、2013年10月

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