飲酒後の事故で御用!格闘家に裁判官が激怒したワケ【ギョーテン裁判傍聴記】 (2/2ページ)
引退はしてるんですか?」
被告人「してません」
弁護人「最後の試合はいつですか?」
被告人「去年の6月です」
弁護人「どこで誰とですか?」
もはや事件とは全く関係ない質問ですけどね。
被告人「×××××(※超有名団体)で相手は×××××(※超有名選手)でした」
弁護人「強い相手なのかな?」
被告人「そうですね」
被告人質問というよりはヒーローインタビューっぽい感じ。
弁護人「仕事ですが、今後どうするんですか?」
被告人「20年間格闘技だけでしたので、もう一度リングに立ちたいと思っています。それまではバイトでも何でも」
とにかく今後もリングに立つってことなので、ファンにしてみればまた戦う姿を見ることが出来てホッと一安心でしょうか。
続いて裁判官から。
裁判官「被害者に声を掛けたら『う~』と言ってたと。どれくらいのケガだと思ってましたか?」
被告人「大きいケガではないのかなと。軽傷とは思ってませんでしたが」
裁判官「車はつぶれてるんですけど、なぜ大ケガとは思わなかったんですか?」
被告人「自分も頭を打ってまして、自分中心で自分が大丈夫だから大丈夫だろうと…」
裁判官「相手は年上ってすぐにわかりますよね。あなたは格闘技やってて立派な体なんだから全然違いますよ!」
といった具合に超激怒。というのも被害男性は65才で、被告人は41才。しかも被告人は格闘家ですから。そりゃ全然違うだろう、と。
裁判官「今後お酒どうしますか?」
被告人「今後飲むつもりないです」
裁判官「やめるじゃなく、つもりがないってどういう意味なんですか?」
被告人「一生飲まないのは現実的にムリかな、と。でも被害者の為にもしばらくは…と」
断酒じゃなくしばらく飲まない宣言をして被告人質問は終了。
そしてこの初公判から1週間経った12月上旬に判決が言い渡されました。結果は、懲役3年執行猶予4年。
しばらく飲まないって約束は少なくとも執行猶予期間中は飲まないって意味なのかなぁと受け取りましたけどね。酒飲みたいという欲望vs被告人。果たして勝てるのか…。
阿曽山大噴火(あそざん・だいふんか)
大川興業所属のお笑い芸人であり、裁判所に定期券で通う、裁判傍聴のプロ。裁判ウォッチャーとして、テレビ、ラジオのレギュラーや、雑誌、ウェブサイトでの連載多数。