永久凍土が解け、毛が残された状態のケブカサイの子供が発見される(ロシア)

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永久凍土が解け、毛が残された状態のケブカサイの子供が発見される(ロシア)
永久凍土が解け、毛が残された状態のケブカサイの子供が発見される(ロシア)

永久凍土が融解し毛がふさふさのサイ、ケブカサイの子どもを発見 image by:The Siberian Times

 これまで永久凍土に覆われていたシベリアの大地だが、温暖化の影響で融解が進んでいる。そして明らかになりつつあるのは、ツンドラが先史時代の動物の紛れもない墓場であるということだ。

 サハ共和国で今回新たに発見されたのは、約2万から5万年前の氷河期に生息していた「ケブカサイ」の子供だ。ほぼ8割が無傷という非常に良好な保存状態だったそうだ。

 死後数万年が経過しているというのに、赤茶色のふさふさとした毛のほか、4本の足、腸といった内臓のほとんどがそのまま残されている。サハ共和国で発見されたものだけでなく、世界的に見てももっとも状態の良いケブカサイであるとのことだ。

・推定年齢3~4歳。おそらく溺死したケブカサイの子供

 「3、4歳の子供で、死んだ時点でもう母親と一緒には暮らしていませんでした。死因はおそらく溺死でしょう」と、ロシア科学アカデミーの古生物学者ヴァレリー・プロトニコフ氏は説明する。

 「性別はまだわかりません。生きていた詳しい年代は放射性炭素年代測定待ちですが、おそらくは2万から5万年前でしょう。」

 毛並みはところどころ抜け落ち、泥だらけだが、それでも豊かに生えそろっていた当時の姿を想像することができる。はっきりとは断定できないが、どうも夏毛である可能性が高いようだ。

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image by:Valery Plotnikov/The Siberian Times

 ケブカサイはその名の通りふさふさの毛が生えたサイの一種で、約360万年前 - 1万年前にユーラシア大陸北部に生息していたサイの一種で、マンモスとともに氷期を代表する動物として知られる。

 寒いツンドラ地帯に生息するため、厚い毛皮や熱の損失を防ぐための小さな耳など、寒冷地に適応した特徴を持っている。

 シベリア北東部では約3万年前に進出してきた人間と数千年間共生していたが、最終氷期の終わりごろに個体数が激減、絶滅したとされている。

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image by:Weston Park Museum

・世界で初めて子供のケブカサイが発見された地の近く

 サハ共和国は、世界で初めてケブカサイの子供が発見された場所でもある。

 これらの発見から、ケブカサイは子供の頃から凍てついた気候に適応していたのだろうとプロトニコフ氏は推測する。ちなみに最近の死体にはツノに傷跡がついており、食べ物を探していたと考えられるとのこと。

 「死体の背中には軟組織が残っています。おそらく生殖器と腸の一部です。おかげで排泄物を調査できるので、大昔の環境を再現することもできるでしょう。」

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image by:Valery Plotnikov/The Siberian Times

 じつは今回ケブカサイの子供が発見されたのは8月の川沿いだ。

 道路が少ないサハ共和国では、夏になるとさまざまな場所がボートや飛行機でしか行けなくなってしまう。そのため、せっかく見つかった死体も、詳しい調査はもっと氷が張る季節を待つ必要があったのだそうだ。冬になれば氷の道路が張り巡らされ、陸路で物資を輸送できるようになる。

 今後の予定としては、まず遺体を首都ヤクーツクに送ってそこで解析し、その後さらにスウェーデンでゲノム解析を行うとのこと。

 すでに絶滅した動物の物語や姿を消すことになった理由など、彼らの知られざる歴史がほんの少し解き明かされることだろう。


Woolly rhino found in Yakutia in August 2020
References:siberiantimes/ written by hiroching / edited by parumo
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