教育者が教える、子どもの能力を引き出す「読み聞かせ」絵本選びのコツ (2/3ページ)

新刊JP

七田:そうなんですよ。登場人物に感情移入して読み始めたら、ぐっと込み上げてくるものがあったそうです。かく言う私も、実はそういう経験をしたことがあります(笑)。読み聞かせている立場ではありますが、あまり気持ちを入れ過ぎると、自分自身がやられてしまうということってありますよね。

――絵本の選び方のコツについてはいかがでしょうか?

七田:子どもが興味を持っている絵本、「この本読んで!」って言ってくる本を読んであげてほしいです。場所や費用の問題もあると思うので図書館も大いに利用しながら、でも子どものお気に入りの絵本はいつでも手にとって読めるようにすべきなので、子ども用の本棚を作って購入して、繰り返し読むといいと思います。

あとは、ときどきは子どもが絶対に選ばないような絵本を読んであげてください。それはなぜかというと、子どもの世界は親が広げてあげないと広がらないんです。例えば子どもに「将来何になりたいの?」と聞いても、その子が知っている職業の中でしか選べません。だから、知らない世界がいっぱいあることを、親自身が子どもに見せてあげることが必要です。

星座の神話について書かれた絵本を読んであげれば、もしかしたら星座に興味を持って、プラネタリウムに行こうという話になるかもしれない。絵本や図鑑を使って子どもの興味や関心を広げていってほしいです。本当はいろんな場所に連れていくといいのでしょうけど、コロナ禍で外に出にくいですからね。こういう時こそ絵本を大いに利用して、親が子どもにどんどん新しい興味を提案してほしいです。

――小学生くらいになって、絵本を卒業したら今度は児童書に移る時期が出てくると思います。そのときの移行の仕方についてはどのようにすればいいでしょうか。

七田:児童書は絵本よりも難しいですよね。登場人物も増えますし、状況設定も細かくなります。その把握ができるまでは難解で退屈なものという印象を持たれてしまうかもしれません。だから、絵本と児童書の境目にあるような本、例えば『かいけつゾロリ』シリーズを挟んだりするといいと思います。

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