あなたの身近な神様たち…氏神様、鎮守様、産土様それぞれの違いを紹介

Japaaan

あなたの身近な神様たち…氏神様、鎮守様、産土様それぞれの違いを紹介

♪村の鎮守(ちんじゅ)の神様の 今日はめでたい御祭日(おまつりび)……♪

※文部省唱歌「村祭(むらまつり)」より。

北澤楽天「村祭り」より。

子供のころ、地元の神社で開催されるお祭りが楽しみでしたが、大人になったらなったでその支度に汗を流し、子供たちを楽しませるのも楽しいモンだと思えるようになりました。

さて、そんな地元の神社について、よく「初詣は氏神(うじがみ)様へ」とは聞きますが、鎮守の神様とは何か違うのでしょうか。また、中には産土(うぶすな)様という言葉を聞いた方もいるかも知れません。

そこで今回は、神社にまつわる「氏神」様、「鎮守」様、そして「産土」様について、それぞれの違いを紹介したいと思います。

氏神(うじがみ)様とは

氏(うじ)とは自分が所属する一族を示す、いわゆる「上の名前≒名字」であり、現代でも「下の名前」と合わせて氏名と言いますよね。

皇室の氏神様である天照大御神(奥中央)。春斎年昌「岩戸神楽之起顕」より。

その一族が信仰する神様こそ氏神様で、多くの場合は自分たちのご先祖様や、ルーツとなる神様(例:源氏の八幡神など)を祀っています。

共に氏神様を祀る一族を氏子(うじこ)と言い、たとえ遠くの土地に離れても一族の絆は絶えないように、氏神様とのご縁は生涯ずっと続きます。

鎮守(ちんじゅ)様とは

その土地を鎮(しず)め、守(まも)って下さる神様、だから鎮守様と言います。

血縁とは関係なく、そこに住むすべての人々をご加護下さるからこそ、冒頭のごとく村のみんなでお祭りするのです。

ずっと、この土地を見守り続けて来た鎮守の神様(イメージ)。

土地ごとにいらっしゃるので、当地に住む時はもちろん、出来れば旅行や出張などで訪れた時も、きちんとあいさつするのが望ましいでしょう。

そして、立ち去る時も「滞在中、お守り下さって誠にありがとうございました」とあいさつすれば、次なる土地の鎮守様に「この者(あなた)をよろしく」とお伝えいただけるかも知れません。

産土(うぶすな)様とは

あなたがこの世に生まれ出た瞬間、あなたが生まれ出た場所(産土)の神様が、あなたを一生涯にわたって(どこに行こうが、何をしようが、何があろうと)守り続けます。

「吾(われ)は汝(いまし)が産土神なり。吾が土地に生まれし上は、命ある限り守ってやろう」

いわば、氏神様と鎮守様の中間のような、あるいは両者を合わせたような存在でしょうか。

昔は多くの者が、生まれた土地で一族と共に一生涯を過ごしていたため、崇敬する氏神様と鎮守様と産土様が同じことがほとんどでしたが、近年はあちこちへ引っ越すことも多くなったので、神様との絆を確かめておくことが、時に心の支えとなるかも知れません。

まとめ

以上、氏神様と鎮守様と産土様について紹介してきましたが、それぞれの違いをまとめると、ざっと以下の通りです。

氏神様…自分の一族or子孫を守護する神様。
鎮守様…その土地を守護する神様。
産土様…自分の土地に生まれた者を守護する神様。

どこに行っても神様がいて、何をしても神様が見守っていて、何があろうと、神様は最後までついていてくれる(※助けてくれるかは別の話)……日本とは、そういう国です。

このコロナ禍ですから、くれぐれも密を避けて、お時間のある時にでも。

観光名所やパワースポットも素敵ですが、せっかく日本に生きているのですから、地元や近所の神様がたにも興味を持ってみると、人生がより豊かに、楽しくなることでしょう。

※参考文献:
戸矢学『氏神事典 あなたの神さま・あなたの神社』河出書房新社、2009年4月
日本史用語研究会『必携日本史用語』実教出版、2009年2月

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

「あなたの身近な神様たち…氏神様、鎮守様、産土様それぞれの違いを紹介」のページです。デイリーニュースオンラインは、鎮守神産土神氏神神道神社カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧