フェイスガードは効果なし!テレビ「不織布マスク本格導入」で消える番組

日刊大衆

※画像はイメージです
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 1月9日放送の『新・情報7DAYS ニュースキャスター』(TBS系)でのオープニングトークが、コロナ禍のテレビ局に新たな風を吹かせるかもしれない。ビートたけし(73)と安住紳一郎アナウンサー(47)が、「少し聞き取りづらいかもしれませんがご容赦ください」と断りを入れ、マスクを着用した状態でトークを行ったのである。

「そろそろ流行から1年が経ちますが、新型コロナウイルスの猛威はいまだに衰える気配を見せません。大御所では20年12月19日に松平健(67)が感染したほか、新年を迎えてからも関ジャニ∞横山裕(39)や俳優の武田真治(48)に石丸幹二(55)、吉田沙保里、南海キャンディーズのしずちゃん、藤田朋子と挙げればキリがない。マスクをつけないで仕事をするケースが多い芸能界は、今後さらに厳しくなるでしょうね」(制作会社関係者)

 1月8日には、ついに2度目の緊急事態宣言が発令。20年4月の1度目に比べると劇場や映画館、学校などは一斉休業の対象に含めないなど、ある程度緩和されてはいるが、この状態ではさらに厳しい要請が出てもおかしくない現状だ。

 しかもここに来て、芸能人のマスク着用をめぐってテレビ業界にさらに追い打ちをかける実験結果が出ているという。

■フェイスガードやマウスガードは無意味

「現在のテレビの収録では、顔を透明な板で保護する“フェイスガード”や、口元だけ保護する“マウスガード”が使われています。ところが、これらには飛沫について吐き出し・吸い込みともにほとんど意味がないことが、スーパーコンピューター『富嶽』によって明らかとなったんです」(専門誌記者)

画像は国立大学法人豊橋技術科学大学令和2年度第3回定例記者会見の資料より引用

 20年10月15日に国立大学法人豊橋技術科学大学が記者会見で発表した内容によると、「マスクなし」の飛沫量を100%とした場合、フェイスガードの吐き出し飛沫量は80%、マウスガードの吐き出し飛沫量は90%という結果が出た。

 しかも、吸い込み飛沫量については「小さな飛沫に対して効果がなし」という結果も明らかとなっている。

「口と鼻に密着しているわけではないので、隙間から飛沫が飛ぶのは想像できますよね。ちなみに、もっともすぐれているのは、ポピュラーな不織布のマスクで、こちらは吐き出し飛沫量20%、吸い込み飛沫量30%と、かなりの予防効果があることが分かります」(前同)

■ウレタンマスクで個性をつけることもできない

 ならばせめて個性を付けるためにオシャレなウレタンマスクを……というわけにもいかないようだ。ウレタンは吐き出し飛沫量が50%、吸い込み飛沫量が60~70%と、不織布に比べて大幅に効果が劣るからだ。

「20年11月26日の『産経新聞』で、理研チームリーダーで神戸大教授の坪倉誠氏は、“不織布は性能は良いが、毎回換えないといけない。布やウレタンは何回も使うことができる。性能と通気性と費用対効果を考えて選択してもらえれば”“同じ素材でも製品によって性能にはかなりの差があり、たとえば不織布でも布より性能の劣る製品も市販されている”としていました。

 どちらにしろ、もはやフェイスガード、マウスガードはコロナ対策には無意味ということになりますよね」(全国紙記者)

 そうした経緯もあり、今回のたけしと安住アナの判断は、視聴者からも評価され、むしろ「フェイスガードは意味が無いから、芸能人もマスクをつけるべきだ」とする声も大きくなりつつある。

「ニュース番組ならそうした対応も可能でしょうが、バラエティ番組やロケ番組、ドラマの撮影などで不織布マスク、ともいかないかもしれません。芸能人はやはり顔が命。表情がわからなかったり、口元を見せないでできる仕事はかぎられてくるでしょう。とりわけ、食レポ系の番組は、今後どうしていったらいいのか……ということですね」(前同)

■食レポ番組は不可能に等しい

 その典型が、21年3月末で終了の決まった『火曜サプライズ』(日本テレビ系)だろう。視聴率もよく、番宣で豪華キャストも呼びやすい、局としても優良番組だったが、事前連絡をしていない“アポなし”で店側と交渉してロケをさせてもらう「アポなし旅」は、もはや難しい。20年12月9日の『スポニチアネックス』によると「ウィズコロナの生活が続く限り、これまで通りのロケはできない」と関係者が明かしていたという。

「ドラマ撮影にしても、これまではリハーサルでフェイスガード、本番は防備ナシという形でしたが、より厳しくなるかもしれません。たとえば大泉洋(47)は『情報ライブミヤネ屋』(日本テレビ系)で同局の『ハケンの品格』の撮影を振り返り、当時はガイドラインが出来上がる前だったためリハーサル時は役者もマスクを使用していたことを明かし、“表情がわからない、本番まで”と監督が困っていたことを話しています。今後は、それが当たり前になっていくかもしれません」(前出の女性誌記者)

■「変わらないくだらなさ」を維持できるのか

 思えば、1度目の緊急事態宣言の際もテレビ局は、あの手この手を尽くした。

 ドラマの撮影がストップしたことで、空いた枠を過去の人気作で埋めたが、結果的に若き日のKAT-TUN亀梨和也(34)と山下智久(35)のドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)や、新垣結衣(32)の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)などの人気が再燃。『逃げ恥』に至っては、コロナ禍の現状をリアルに描いた新春SPまで制作されたのは記憶に新しい。

「バラエティ番組でも、リモートが大成功した事例としては20年5月6・13日放送の『家ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)が挙げられます。本来は一般人の家にお邪魔する番組なんですが、開き直って“視聴者に撮影してもらった動画を送ってもらう”というシステムでしのいだところ、逆にこれまではあり得なかったフィンランドやアメリカ、中国の家を放送することに成功したんです」(前出の女性誌記者)

 テレビ東京の佐久間宣行プロデューサーは、20年5月9日に『朝日新聞デジタル』で、

「できるだけ通常放送に近いようなものを視聴者の方が求めている感じもするんですよ。変わらない放送を心がけたほうが、色んな人の心の癒やしになってる感じもするんですよね。今、リモートだからあえて攻めてこうやりましたっていうものを、視聴者の方が望んでいるとも思えない」

 としたうえで、バラエティ番組は「変わらないくだらなさをやることが必要」と姿勢を明かしている。

 いつ収束するか、いまだ先の見えないコロナウイルス。はたしてテレビ局は、この難局を乗り越えられるのかーー。

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