旬の食べ物を最大に活かす。奥深すぎる「薬膳」の世界とは (2/4ページ)
――確かに薬膳と聞くと、「味はそこまでではないけれど、健康に良い」というイメージが強いですが、この本を読むと薬膳の本当の意味が分かってびっくりしました。例えば「トンカツ」と「キャベツ」の組み合わせであったり、定番の組み合わせには薬膳的な意味があって、健康に配慮されているのだなと感心しました。
山下:そうですね。定番の組み合わせには、その季節や土地の風土にあった食材が使われることが多いのですが、健康にも非常に配慮されています。例えば、刺身とワサビやシソの組み合わせは、なまものである刺身には食あたりのリスクがありますから、殺菌効果のあるワサビやシソが定番の付け合わせになるのは自明です。こうした昔からの知恵が「定番」として今に伝わっているんですよね。
他に、お酒を飲まれるときにレモンを絞ったり、梅干しを入れたり、あとは酢の物がよく居酒屋さんでお通しとして出ることがありますよね。実はこれも定番の付け合わせで、薬膳の考え方によるものなんです。
――そうだったのですか!
山下:はい。薬膳には「五味五性」という考え方があります。これは食材を5つの効能に分けるものなんですけど、お酒はその5つの中でいうと「辛」に分類されます。この「辛」の食材を食べ過ぎると肝臓に悪影響を及ぼすとされているんです。
――実際にお酒の飲みすぎで肝臓を壊したりする方もいますよね。
山下:そうですね。この肝臓への悪影響を調和するのに、「酸」の食材を一緒に摂ると良いとされていまして、それがレモンや梅干し、そして酢の物ということなんです。
このように、「定番の組み合わせ」と呼ばれているものは、意外と薬膳に考え方に基づいているものがあったりするんですよ。
――他にもどんな組み合わせがあったりするのですか?
山下:あとは、お寿司では酢飯を使いますけれど、これも生魚に対する殺菌効果が期待できます。他に生姜焼きもそうですね。