『銀魂2』地上波初放送で“ギャグゼロ”三浦春馬さん雄姿と「果たせなかった約束」

日刊大衆

『銀魂2』地上波初放送で“ギャグゼロ”三浦春馬さん雄姿と「果たせなかった約束」

 2019年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)の原作漫画が完結し、2021年1月8日にアニメ版『THE FINAL』として完結編が劇場公開された『銀魂』。

 実写版映画も評価が高いのだが、第2作目『銀魂2 掟は破るためにこそある』が、1月16日11時55分に、テレビ東京ほか一部地方局で地上波初放送される。

「17年と18年に、福田雄一監督が小栗旬(38)主演で映画化した『銀魂』ですが、『銀魂2』には20年7月に急逝した三浦春馬さん(享年30)が真選組の参謀・伊東鴨太郎として出演していました。そのため、三浦さんの公式ツイッターが、今回の放送を告知しています」(映画ライター)

 SNSでは、

《もう(録画)予約済みです。春馬くんが鴨太郎役と知った時の歓びを思い出します》《ストイックでカッコいい春馬くんが創り込んだ鴨太郎、楽しみです》《三浦春馬さんの演じられた伊東鴨太郎先生は最高です!!!是非ご覧下さいませ!!》

 と、すでに多くの反響が寄せられている。

■三浦さんは敵側の主役だった

「『銀魂』は原作自体もブッ飛んだSF時代劇なので、実写版でも橋本環奈(21)演じるヒロインが白目で鼻くそをほじったり、全裸の中村勘九郎(39)が前貼りもせずに竹刀で素振りをしてモザイクが揺れていたり、“アライグマ”と言いながらどう見ても『となりのトトロ』のネコバスが出てきて“それはダメだろ!?”と菅田将暉(27)演じる準主役がツッコミを入れたりと、もうキリがないほどギャグシーンが盛りだくさんの作品。しかし、三浦さんが演じたキャラクターは、ギャグ一切なしのシリアス一辺倒のキャラだったんです」(前出の映画ライター)

『銀魂』は随所に破天荒すぎるギャグを挟みつつも、本筋はシリアスで死人が出ることも珍しくなく、濃いキャラクターによる深い人間ドラマも人気の理由となっている。

『銀魂2』の場合、物語は真選組に焦点が当てられており、三浦さんの伊東鴨太郎、柳楽優弥(30)演じる土方十四郎、吉沢亮(26)演じる沖田総悟、そして中村演じる近藤勲らが、特に物語の中心にいた。

 登場人物の名前は新選組や幕末の人物にちなんでおり、三浦さん演じる伊東鴨太郎は新選組参謀・伊東甲子太郎と新選組筆頭局長・芹沢鴨がもとになっている。

■非常にシリアスなキャラだった

「伊東(三浦)は裏で攘夷派と繋がっており、局長である近藤を暗殺してクーデターを起こそうと画策しているほか、土方(柳楽)をお互い“殺してやりたい”と真正面から言い放つほど憎みあっており、冷酷な悪役として登場しました。しかし、非常に悲しいバックボーンや、最後の最後で土方ら真選組との繋がりに気づく流れなど名シーンが多く、原作人気の非常に高いキャラクターでした。儚さを感じさせる三浦さんの伊東は、本当に素晴らしかったですね……」(前出の映画ライター)

 メイキング映像では楽し気な笑顔を見せていた三浦さんだったが、劇中ではシリアスの極み。敵対関係にあった土方を演じる柳楽は、18年に『シネマカフェ』のインタビューで、

「春馬くんとは12歳ぐらいから、オーディションで一緒になる機会が多かった」「顔見知りでありつつ、あまり話す機会がなかったという微妙な関係性が、この作品の2人の距離感にピッタリでやりやすかった」

 としている。劇中では、狭い電車内で実に迫力ある殺陣を披露し、作品を大いに盛り上げていた。

■同じ子役同士・柳楽と親睦を深めた

 また、柳楽は三浦さんと子役時代の04年に『岸和田少年愚連隊 ゴーイングマイウェイ』で共演していたことから、

「今回、初めてたくさん話せました。こういう形で、子どもの頃から知っている俳優さんと再会して、共演できるってめったにないことだと思うし、ここまでやってきて本当によかったなって思いました」

 と、18年8月に『livedoor』でのインタビューで語っている。ちなみに同インタビューで三浦さんは、高校時代の柳楽は「よく切れるナイフ」みたいで怖かった、としつつも、

「いま時間が経って思ったのは、こんなに居心地のいい人はなかなかいないなと。僕たちはふたりとも子役出身で、だからこその現場での居方みたいなものがあるんですよ。それはもう体に染みついてしまっているので、変えようがないんですけど、柳楽くんも同じなんだろうなと。だから、お互いに言葉を交わさなくても、何となく思っていることがわかるんですよね」

 としていた。映画を機に、より一層柳楽との親交が深まったところで、三浦さんが世を去ってしまったことが悔やまれる。

■いまは空しい「もし続編があったら俺出れねぇじゃん(笑)」

 ちなみに、福田監督は「鴨太郎に必要となるクールな悪役らしい一面と、センシティブで繊細な一面を演じるポテンシャルを春馬くんが持っている」「春馬くんは鴨太郎を演じるのに完璧と言えるポテンシャルを素で持っていると認識していたので、春馬くん以外は考えられなかった」と、三浦さんの演技力を高く評価していた。

「福田監督は気に入った役者を何度も使う傾向があります。鴨太郎は三浦さんにとっては初の本格的な悪役で素晴らしかったですが、福田組でおバカキャラをやる三浦さんも観てみたかったですね」(前出の映画ライター)

 18年の『FINE BOYS』のインタビューで三浦さんは、

「実は今までいわゆる“悪役”をやったことがなかったんですよ。僕にとっては初めての悪役という意味でモチベーションも高かったし、早く現場に入りたいなと思いました」としつつも、

「福田さんなので、“おもしろ”ができるのかなと思ってたら、僕の役にはコメディ部分がまったくなかった(笑)。今回は残念でしたけど、そこはまたいつか、違う作品で関われたらなって思ってます」

 としていたが、それを果たすことなく三浦さんは旅立ってしまった。

 伊東は終盤で倒されるため、メイキングインタビューの「もし続編があったら俺出れねぇじゃん(笑)。それが悔やまれるくらい楽しい現場だった」と話していた三浦さん。ほかの福田監督作品でバカをやる三浦さんの姿が、見てみたかったーー。

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