生田絵梨花の個人PVに見える「パロディ化」作品の極北とは?【乃木坂46「個人PVという実験場」第15回5/5】 (2/3ページ)
そうした「定番の形式」がとりわけ顕著に現れるジャンルを参照して制作されたのが、20枚目シングル『シンクロニシティ』収録の、与田祐希個人PV「ホラー映画で最初に死ぬやつ」だ。
https://www.youtube.com/watch?v=5P8FGIm-G1c
(※与田祐希個人PV「ホラー映画で最初に死ぬやつ」予告編)
タイトルが端的に示す通り、ここでパロディ元として参照されているのはホラー映画だが、もとよりホラー映画は代表的なストーリーの道筋を抽出しやすいジャンルでもある。
さらにいえば、ホラー映画のステレオタイプな物語軌道や登場人物の機能的役割を「論じる」ということ自体が、さまざまな場所で繰り返されたステレオタイプな振る舞いでもある。この個人PVはホラー映画を参照元にするというよりもむしろ、そうしたホラー映画について繰り返されてきた言説の典型をパロディの対象としている。
ここで与田が演じる過剰に軽薄な人物はホラー映画の登場人物自体ではなく、「ホラー映画によくいる人物」としてしばしば語られ、皆の頭の中で共有されているイメージのパロディ的捉え直しといえる。森翔太が監督する個人PVには一貫したスタイルが託されてきたが、本作ではあくまでバカバカしいタッチの中に一段メタ的な構造を見出すことができる。
■生田絵梨花自身をパロディの参照元とする
その森が22枚目シングル『帰り道は遠回りしたくなる』収録の個人PVでテーマにしたのは、「モブキャラ」だった。