人間を失神させるほどのヤバさ。世界一臭い化学物質「チオアセトン」 (2/3ページ)

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・チオアセトンはなぜそこまで臭いのか?
「それは風下の無実の歩行者をよろめかせ、彼らの胃袋をつかみ、恐怖で逃げ惑わせる。それは邪悪で超自然的な力を疑わせるほどの悪臭を放つ」そう語るのは医薬品化学者のデレク・ロウ氏だ。
面白いことに、チオアセトンは複雑な物質ではないにもかかわらず、なぜそんなにも臭いのかよく分かっていないようだ。
そこに結合している硫黄が犯人なのだろうが、チオアセトンに限ってそこまで臭くなってしまう理由は定かではないし、あえてその謎の解明に挑む化学者もあまりいない。
だが、メルボルン大学大学院の学生ベンジャミン・アンドリコプロス氏によると、人間の進化と関係がある可能性があるようだ。
我々の祖先の時代より、硫黄の臭いは腐った食べ物と関連づけられてきた。そしてその臭いに敏感な者は、うまい具合に食中毒を避けることができた。だから、彼らの遺伝子は子孫に受け継がれてきた。
そのおかげで、オリンピック用水泳プールの水に混ざったティースプーン半分の砂糖に匹敵する、ごく微量の硫黄を含んだ物質からでさえ、その臭いを感知できるようになった。
チオアセトンはそんな私たちの嗅覚にビンビンに訴えかけてくるようだ。