菅野美穂・浜辺美波『ウチカレ』炎上は計算? 北川悦吏子脚本の危うい「笑えなさ」

日刊大衆

浜辺美波・菅野美穂
浜辺美波・菅野美穂

 結婚や恋愛に対する考え方が時代遅れ、オタクの認識がズレている……。現在放送中のテレビドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)が、いろんな意味で話題だ。

 1月27日放送の第3話も、沢村一樹(53)演じるゴンちゃんが、お見合いを勧められ写真を押しつけられるくだりといい、菅野美穂(43)演じる蒼と廃校に忍び込んでイチャイチャするくだりといい、懐かしい設定が炸裂していた。

 共感を覚えるシーンやセリフもあるにはあるが、なんだろう、世間知らずのセレブがアップしてくるSNSに似たウズウズ・イラッは。

 しかし、「古い価値観や世間ズレ」を楽しむという、新たなドラマの在り方を提案しているのかもしれない、とも思い始めている。視聴率は第3話が8.1%(ビデオリサーチ調べ/関東地区/世帯/リアルタイム)と微妙だが、TVer見逃し配信の再生数はすこぶる良く、1月13日放送の第1話は、日本テレビの歴代ソフト第1位を獲得。炎上も反響のうち。ツッコミ目的も含め、このドラマに注目している人は多いということだ。

 思い出してみれば、昨年放送されたドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日×AbemaTV共同制作)は完全にそのあたりを計算し、成功した例だろう。また、浜辺美波(20)と横浜流星(24)がダブル主演した『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)も然り。

■菅野美穂と浜辺美波という救い

 ただ『ウチカレ』が上記の2本と違うのは、脚本の北川悦吏子が意識的にズレを盛り込んでいるのか、いろいろなことをナチュラルに勘違いしているのか、計りかねる点である。ズレ方が微妙なので、笑えない部分が出てきてしまうのである。

 しかし、それを含めて「ドラマの魅力」にしようとする役者陣の力量は素晴らしい。菅野美穂は、あのクセのあるセリフすら自然に聞こえさせるのだから本当にうまい。そもそも碧という役は、見栄っ張りの若ブリッコにも見える危険キャラ。それを見事「か、かわいい!」と思わせる、カンノちゃんのみずみずしさよ……。

 浜辺美波は『私たちはどうかしている』もそうだったが、古くさいドラマ展開に不思議なほどハマる人である。ベタな展開や大げさなセリフも、彼女にかかれば最高に美しいファンタジー。毎回しつこいほど投入される「かーちゃん」というセリフも、浜辺だから許される。

 SNSでツッコミを入れることも含めてドラマを楽しむ。そんな姿勢が普通になっている現代では、オワコンと騒がれていること自体、オワコンではないのかもしれない。ややこしい話だが、『ウチカレ』がドラマのあり方を考えさせてくれることは、間違いない。(田中稲)

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