職場にも潜んでいる。「良心をもたない人たち」はどう他者を支配する? (2/2ページ)

新刊JP

4、返報性の意識を強化する

寛大な人柄を演じて相手の精神的な隙につけ入るソシオパスは、自分の貸しに報いる感情を同僚や上司に植え付けていく。つまり、意図して問題を起こし「それを解決できるのは自分だけ」と振る舞い、そこから被害者を救い出すのである。自分の恩に報いる相手の感情を強化することで、自分に都合よく操るようになるのだ。

5、イエスマンしか雇わない

経営者がソシオパスの場合、自分への恩義に対して忠実であると容易に見込める人間を優先的に昇進させたり、採用したりすることも珍しくない。そのため、社長がソシオパスだと気づいていない他の社員が「なぜあんな人が採用されるのか」「どうして彼が昇進するのか」と首を傾げる事態を引き起こすことがある。

こうしてソシオパスはその職場の中での支配を深めていく。特に問題なのは著者が「閉鎖系」と呼ぶような、当事者しか知らない孤立した状況で関係が結ばれることがあるということだ。二人の関係が秘密であると、心理的虐待も人目に付きづらくなる。こうした状況はソシオパスの格好の餌食である。

 ◇

では、職場に潜んでいるかもしれないソシオパスから自分を守るにはどうすればいいのか。もちろん、本書にはそれについても解説している。対処法の1つをあげるとすると、ソシオパスに対して自分の素の心を見せないことが大切だ。つまり、心にプライバシーを守り続けることである。冷静を保ち、動揺があっても表現やしぐさに現れないようにする。そうすれば彼らは期待通りの結果が得られなくなる。

本書では職場のほかにも家庭や法廷、ネット上などのシーンにおけるソシオパスの振る舞いとその対処法をつづっている。著者は、「ソシオパスにも“良心のかけら”ぐらいはあるのでは」と期待する人々に対して「本質的に良心をもてない」と言い放つ。

身近なところに、ソシオパスはいるだろうか? また、もしかしたらもうソシオパスに目をつけられているかもしれない。どんなタイミングでも読んでおいて損はないはずだ。

(新刊JP編集部)

「職場にも潜んでいる。「良心をもたない人たち」はどう他者を支配する?」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る