職場にも潜んでいる。「良心をもたない人たち」はどう他者を支配する? (1/2ページ)
誰かをものすごく贔屓しているかと思えば、その陰で別の人に冷酷な仕打ちをしている。職場ではチームワークが大切なのに、集団への貢献を示さない。自分が「楽しめれば」それでいい。自分に対して邪魔する者はいかなる手段を使っても排除し、そして支配する。
「ソシオパス」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。「反社会性パーソナリティ障害」とも言われる、いわば「良心をもたない人たち」のことだ。彼らはごく普通の人間としてこの社会に潜んでおり、“目には見えない”道徳上の罪を犯し、人間関係に破綻をもたらしながら生きている。
そしてソシオパスはあなたの最も身近な場所――例えば、働いている職場にもいるかもしれないのだ。
『良心をもたない人たちへの対処法』(マーサ・スタウト著、秋山勝翻訳、草思社刊)では、職場に潜むソシオパスの事例をあげながら、彼らの戦略や行動パターン、その対処法を説明している。その特徴を見ていこう。
1、親切で寛大なふりをする彼らは職場の権力を得るため、真っ先に自分は親切でほかの誰よりも寛大な人間であるふりをする。例えば新入社員にはとても優しく接して第一印象を良くするといった具合だ。このような振る舞いは、ガスライティング効果(被害者に誤った情報を提示し、混乱や疑念を起こさせる)のお膳立てになることが多い。
2、他人の共感を得ようとする寛大な仮面を見せたら、ソシオパスは「共感を得よう」と操作する。その時彼らは、「自分もまた誰かのせいでつらい思いをしている」と訴える。
3、精神的な弱点を見極めるソシオパスたちは普段、私たちと同じ行動をとろうとしているので分かりにくい。一方、彼らからすれば「獲物」は丸見えだ。つけ込めそうな同僚や上司が抱えている精神的な弱点は何か見定めて、職場の人間に対して自分は必要な人間なのだと心の底から思わせるように仕向けていく。
人間の自己評価への欲求は、ソシオパスが最優先で攻めるポイントだと著者は述べる。嘘くさいほめ言葉、見え透いた嘘でも、被害者にとっては「救い」になる。そして、その関係は性的な関係に及ぶ場合が珍しくないという。