高橋真麻が「水筒で持ち運びして毎日飲みたい」とまで語る立ちそばの名店もコロナで閉店

日刊大衆

高橋真麻
高橋真麻

アイドル食堂・第57回 後楽そば

■美食で育ってきたと思われるが……

 アイドルだってメシを食う。女子アナウンサーも広義ではアイドルの範疇だが、本連載であまり採り上げてこなかった。局アナはゲテモノ食いの通過儀礼はじめ、番組内で始終何か食べさせられるし、フリーアナとなれば、ブログ等で個人情報を開示するので、あまり面白みがないのだ。それに格別アイドル扱いされた女子アナに限って、賞味期限が短く、すぐ野球かサッカー選手か、今ならYouTuberの嫁さんになってしまう。

 とはいえ、「あざとかわいい」田中みな実が女優になって大ブレイクし、再び女子アナに脚光が当たっている。ORICON NEWSでは例年末、『好きな女性アナウンサーランキング』を発表し、昨年で17回目となったが、テレビ朝日の弘中綾香が2連覇を達成。

 2位は田中、3位は有働由美子、4位にテレビ朝日の大下容子、5位にテレビ東京の大江麻理子と全員2年変わらず。いずれも人気の看板番組を持っている強みか。一方、13年から5年連続で首位となり、殿堂入りを果たした日本テレビの水卜麻美は、今はベスト10圏外だ。

 ちなみにこのランキングは04年に始まっているが、第1回は高島彩が1位。以降はしばらく周期が一定せず、09年からは年1で行われている。初期のランキング上位を賑わすのは、他に小林麻耶中野美奈子、西尾由佳理といった面々で、今は昔の感がある。

 そして、第8回は8位、第9回は6位、第14回10位と並み居る美人アナを尻目に、意外な健闘を見せるのが高橋真麻だ。特にフジテレビを離れ、フリーになってからの第14回は、圏外から急浮上。投票者のコメントを見ると、「発音の適格性は一番だと思う」と意外やアナウンス力を認められている。

 コロナ禍を迎える4年も前の16年、新幹線内で撮ったマスク姿が「美人すぎる」と妙に話題になったほど、真麻は美女扱いされていない。確かにフジテレビ入局時は、父・高橋英樹のコネ入社だと散々叩かれた。

 芸能人を親に持たずとも、お嬢さん育ちなどざらにいる女子アナ界。デビュー17年目を迎えても、いまだ第一線で活躍できるのは、親の七光りでもなんでもない。真麻がチャーミングだからだ。レギュラー出演していた『有吉弘行のダレトク!?』(フジテレビ系)でも、司会の有吉に「ちょいブス巨乳」などと盛んにいじられていた真麻だが、「美人は三日で飽きる」ものだ。

 真麻の飾らない性格は食べ物の好みにも表れる。幼い頃から家族で美食三昧に興じてきたはず。現にぼくも高橋家御用達の大門の本格中華、「新亜飯店」で幼い頃の彼女を見かけている。今の真麻もむろん、高級焼肉などを行きつけに挙げてはいるが、中華チェーンの「陳麻家」の陳麻飯が好物と、庶民的な一面も見せる。

■立ちそばの名店もコロナで閉店

 驚いたのが、焼そばを出す立ち食いそばとして知られる、「後楽そば 五反田店」を18年6月30日放送の『裸の少年』(テレビ朝日系)など、様々なテレビ番組で紹介していること。物珍しさから、多くのメディアがここの焼そばを採り上げてきたが、真麻はそばが好みで、濃いめの鰹出汁で作る甘辛いつゆが「日本一美味しい」と絶賛しており、「水筒で持ち運びして毎日飲みたい」とまで言う。

 現に18年4月28日付の本人のブログでもこう書いている。

「火曜日も、そして昨日も、そして今日も 後楽そばにやって参りました。元々有楽町にあったのですが、実家の徒歩圏内に再オープン。
焼きそばが有名ですが、私はわかめとろろ昆布そば。ネギはトッピングし放題←良心的過ぎる。
何よりもちょっと甘めの出汁が美味しくていつも止まらないんです(絵文字:上昇カーブ5連発)。
今日はカレーも。コスパも良いし今後もヘビロテの立ち食いそば屋さんです」

 とそばにミニカレーをつけ、豪快に喰らう様を伝える。ぼくも自著で何度かこの店に触れているが、かつては歌舞伎町にもあった。ただ、焼そばが食べたくなると入る店(しかも、焼そばにもそばつゆと同じスープをつけてくれる)。そばもまずくはないが、格別云々するレベルではないと思っていた。

 ところが、後楽そば五反田店は20年12月14日をもって閉店していた。ぼくはそうと知らず、つい先日、五反田に出向いて驚いた。「新型コロナウイルスの影響」との貼り紙はそのままだ。五反田は風俗街でもあるが、オフィスが多い。やはりコロナ禍での外出者の減少で大打撃を被っていたのだ。

 JR有楽町駅ガード下の店が16年5月に閉店した際も、大勢が後楽そばロスに陥り、復活を求める声がネット上にも溢れていた。有楽町駅のガード下工事が終われば、元に戻るとの噂もあったが、それから2年近く待たされた18年3月、満を持して今度はJR五反田駅の高架下に再臨。ファンは歓喜の雄叫びを上げたものだ。ぼくも再オープン間もなく、わざわざ途中下車して寄った。味は寸分変わらなかった。

 それが2年8ヶ月で再び閉めてしまった。憎むべきはコロナだ。後楽そばのようなクィック&チープな美味から先に、どんどん町から締め出されている。今はリモートワークを徹底し、感染の拡大を防ぐべきだが、仮に嵐が過ぎ去ったとして、五反田に限らない、都心の店に客足は戻るのだろうか。リモートワークが根づけば、オフィス街は縮小せざるを得ない。

 こんな時、真麻のような著名人がこうしたB級グルメの真価に気づき、喧伝してくれることがどれだけ頼もしいか知れない。後楽そばの悲劇に関し、彼女がコメントしている様子はまだ見かけないが、ぜひ再びの復活のため、クラウドファンディングでも呼びかけてほしいものである。

(取材・文=鈴木隆祐)

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