三浦春馬さん遺作が受賞!「完全燃焼しました」永遠に残る「微笑みと金言」

日刊大衆

三浦春馬
三浦春馬

 やはりその才能は本物だった。2月4日に発表された『第94回 キネマ旬報ベスト・テン』の読者選出日本映画監督賞に、昨年12月に公開された時代劇映画『天外者』の田中光敏監督が選ばれたのだ。

『天外者』は幕末から明治にかけて活躍した偉人・五代友厚の生涯を描いた作品。そして、昨年7月に急逝した三浦春馬さん(享年30)の遺作である。

 田中監督は4日、都内で行われた表彰式で、

「三浦春馬という最高に素晴らしい役者と出会って、天外者を作り上げてこういう賞をいただけたと思います」「彼自身が本当に良いやつで前向きに現場にいてくれました」「これは春馬くんにもらった賞。彼の思いがたくさんの人たちに届いた、そういうふうに思っています」

 と、三浦さんに対する感謝の言葉を捧げていた。

「三浦さんは『日本アカデミー賞』では08年の『恋空』で新人俳優賞、15年の『永遠の0』で優秀助演男優賞を受賞したり、14年にはドラマ『ラスト♡シンデレラ』と『僕のいた時間』(いずれもフジテレビ系)で『第51回 ギャラクシー賞 個人賞』を受賞したりと、これまで多くの賞を獲得してきました。それでも、三浦さんが携わった作品が『キネマ旬報ベスト・テン』に輝くのは初ということで、おめでたいニュースでもありますが、三浦さんが生きていたらどんなコメントをしたのかな、と考えると、やはり残念です」(映画ライター)

■「しっかり五代さん役を務めさせていただきます」

 映画公開前にこの世を去ってしまったが、三浦さんも生前、『天外者』について、役者という仕事について言葉を残していた。今年4月の著書『日本製』(ワニブックス)のインタビューで、

「史実を扱う責任の重さや自分の意識の変化を実感した」「プロジェクトがあり、一つの作品を作るうえでこんなにも大勢の人が関わっているという実感をいつも以上に感じられる現場だった」

「五代さんを演じた期間はとても充実していたし、三浦春馬という俳優としても、ひとりの男性としても、ベストを尽くすことができたと胸を張って言える作品になった」

 と綴っていたのだ。

「『天外者』を映画化するために13年に『五代友厚プロジェクト』を立ち上げ、公開まで7年間も尽力した廣田稔代表は、公式サイト『五代友厚足跡サイト』の代表あいさつにて、

“主演が決まってから五代さんについて真摯に学び、9月24日の慰霊祭には個人として参加をして、墓前で『しっかり五代さん役を務めさせていただきます』と誓ってくれました”としています」(前出の映画ライター)

■名シーンが生まれたきっかけは三浦さんのアレンジ

 また、三浦さんは20年4月に『好書好日』のインタビューで、役作りについて語っていました。まだ情報解禁前だったため、“ある歴史的人物”と名は伏せていたが、

「ある歴史的人物を演じる機会があったのですが、その方が学んだであろう『論語』を読んだんです。でも、初めにそちらを読むのは中々難しいなと思ったので、まずは渋沢栄一さんの『論語と算盤(そろばん)』を読みました。役作りにおけるヒントが色々と散りばめられていた気がして、すごく参考にさせてもらいました」

 と、演技論を語っていたのだ。

「ちなみに映画で印象的な、五代が敵を斬らず、目力だけで圧倒して、自身のマゲを斬り落とす場面は、三浦さんのアイデアで生まれたそうです。本来は、敵と斬り合ってから五代がマゲを斬る場面だったのを、三浦さんは“五代さんはどんなことがあっても仲間を切ろうとしないと思うから、斬り合いがしっくりこない”として変更したと、12月10日の『シネマトゥデイ』で田中監督は明かしています」(前出の映画ライター)

■「完全燃焼しました! 悔いはないですね」

 昨年12月20日に関西ローカルで放送されたドキュメンタリー番組『天外者 五代友厚』(カンテレ)で三浦さんは、

「個人の私利私欲ではなく、百年後の子供たち、この国がどう豊かになっていくべきなのかを、一人一人がもっと真摯に考えてあげるっていう世の中を、すごく五代さんは目指していたはずだし、五代さんが思い描いていた、素晴らしい将来の日本を、微力ながらお客様に届けられるんじゃないかなっていう期待をしたいな、という風に思っています」

「もう完全燃焼しました! うん、悔いはないですね。今回の作品は一生懸命できました」

 と、非常に手ごたえがあったことや、演技に乗せた思いについて熱く語っていた。

「映像越しに、三浦さんの熱い思いがひしひしと伝わってくる、いい映画でした。作品の完成を待たずに三浦さんは亡くなってしまいましが、生きていたら間違いなく役者人生の大きな転換期となる作品だったでしょう。今回の『キネマ旬報ベスト・テン』が、天国にも届いているといいですね」(前出の映画ライター)

 役者は死んでも、作品は永遠に生き続ける。あらためて、名作を残してくれた三浦さんに感謝したい。

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