明智光秀が「本能寺の変」を起こした動機とは?野望説から怨恨説まで徹底解説 (3/3ページ)

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旧家臣の光秀と通じていたとする『足利義昭黒幕説』は、数ある黒幕説の中では最も可能性が高い」

 と河合氏は考えるが、一方で桐畑氏は、

「黒幕とまでは言えなくても『信長が厳しいから誰か殺る人いない?』みたいなことで、じゃオレがオレが、と皆が手を上げたところで、最後に光秀が手を上げたら『どうぞ!どうぞ!』って、ダチョウ倶楽部の上島竜兵さん状態になったのかもしれません」

 以下は「本能寺の変」を起こした動機をまとめたものである。各エピソードからそれぞれの“明智像”を思い描いてほしい。


〇「本能寺の変」明智光秀の動機一覧(監修:河合敦)

《光秀原因説》

1.野望説

【1】光秀にもともと天下取りの野望があった(「天正記」ほか)

【2】本能寺に向かう愛宕権現で「時(土岐)は今あめが下しる(天下を治める)五月哉」と詠み、美濃源氏土岐氏の流れをくむ光秀が平氏の信長を討った

信憑性の評価:○

2.突発説

【3】信長がわずかな兵で本能寺に泊まっている状況を好機とみた光秀が、突発的に起こした

信憑性の評価:◎

3.内通露見説

【4】武田勝頼への内通を画策した光秀が、陰謀が露見しそうになって信長を殺した(「甲陽軍鑑」)

信憑性の評価:△

4.ノイローゼ説

【5】精神的な不安などに追い詰められた光秀が、発作的に謀叛を起こした

信憑性の評価:○

5.不安説

【6】信長の苛烈で残忍な性格から、いずれ粛清されてしまうのではと不安を覚えた光秀が謀叛を起こした

信憑性の評価:○

6.怨恨説

【7】安土城を訪問する家康の接待を命じられた光秀が「腐った魚を出した」と信長から激怒され、あげく解任された恨み(「川角太閤記」)

信憑性の評価:○

【8】甲州征伐で武田氏が滅亡したあと、恵林寺を焼こうとする信長を諫めた光秀が信長から打ち据えられた恨み(「絵本太閤記」)

信憑性の評価:△

【9】甲州征伐後、諏訪で祝賀を述べた光秀に、「お前は何の功があったか」と信長が光秀の頭を欄干に打ち付け、人前で恥をかかされた恨み

信憑性の評価:△

【10】庚申の日の儀式で、小用で退出しようとした光秀に怒った信長から槍を突きつけられ「きんかん(ハゲ)頭!」と罵倒された恨み

信憑性の評価:○

【11】光秀が母親を人質にして生け捕りにした八上城主らを信長が殺し、母親が八上城家臣らに磔で殺された恨み
信憑性の評価:×

【12】何かと意見する光秀に怒り、信長が2度、3度と光秀を足蹴にしたことの恨み(ルイス・フロイス「日本史」)
信憑性の評価:○

【13】稲葉一鉄に仕えていた斎藤利三を光秀が部下にする。信長は斎藤利三を稲葉に返すよう命じたが、光秀は拒否して、信長に折檻された恨み

信憑性の評価:△

7.信長非道阻止説

【14】信長の皇位簒奪や暦問題など、信長の悪政・非道を、光秀が阻止しようとした

信憑性の評価:○

8.朝廷守護説

【15】信長が天皇を凌ぐ権威になろうとしていると危惧した光秀が、朝廷に相談することなく、単独で朝廷や天皇を守ろうとした

信憑性の評価:○

9.四国征伐回避説(四国説)

【16】四国の長宗我部元親に対し、信長が攻撃命令を下したため、長宗我部氏との仲介役だった光秀は、四国攻めを回避するために信長を討った

信憑性の評価:◎

《さまざまな黒幕説》

1.朝廷黒幕説

【17】正親町天皇への譲位強要など朝廷を支配下に置こうとする姿勢を見せた信長に危機感を抱いた朝廷が光秀を動かした

信憑性の評価:○

2.羽柴秀吉黒幕説

【18】本能寺の変のあと、結果的に天下人への道を歩むことになって最も得をする秀吉が、光秀をそそのかしたとする推論的なもの

信憑性の評価:△

3.足利義昭黒幕説

【19】京都を追われて備後(広島)鞆の浦に鞆幕府を開いた足利義昭が、かつての家臣の光秀に信長暗殺を命じた

信憑性の評価:◎

4.毛利輝元黒幕説

【20】信長の死によって秀吉から講和を求められ、危機から脱した毛利輝元が黒幕だった

信憑性の評価:△

5.徳川家康黒幕説

【21】信長が家康を殺そうとした噂があったことを根拠に、家康が光秀を裏で操って行わせた

信憑性の評価:△

6.堺商人黒幕説

【22】今井宗久など堺の商人らが、堺の権益を守るため、信長を茶会に招いて、光秀に挙兵させた

信憑性の評価:△

7.フロイス黒幕説

【23】信長が神になろうとしているという話を危険視したルイス・フロイスやイエズス会の宣教師らが、光秀の娘・細川ガラシャなどを通じて光秀に謀叛を起こさせた

信憑性の評価:×


河合敦(かわい・あつし)65年、東京都生まれ。多摩大学客員教授。早稲田大学非常勤講師。歴史家として数多くの著作を刊行。テレビ出演も多数。主な著書:「早わかり日本史」(日本実業出版社)、「大久保利通」(小社)、「繰り返す日本史二千年を貫く五つの法則」(青春新書)など。

桐畑トール(きりはた・とーる)72年、滋賀県生まれ。上京しお笑い芸人に。05年、オフィス北野に移籍し、相方の無法松とお笑いコンビ「ほたるゲンジ」を結成。戦国マニア芸人による戦国ライブなどを行う。「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)のリポーターとしてレギュラー出演中。

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