ロード・オブ・ザ・リングの原作者、トールキンが自分の子供のために作った手描きの絵本『Mr.Bliss』 (4/4ページ)
しかし出版社側は、あまりにも精巧な彼のイラストを複製するには費用が掛かり過ぎるという理由で、出版を拒否した。
当時、出版社側は売れた『ホビットの冒険』のようなエルフやドワーフ、魔法使いなどがキャラクターの物語の執筆をトールキンに求めていた。
結局、『Mr.Bliss』が出版されたのは、トールキンの死後、作品を書き上げて実に50年が経った1982年のことだった。
これまでのトールキンの著名な作品は、いくつかのヨーロッパの神話伝承から多くの影響を受けたものだが、彼自身が子供向け作家と呼ばれることに抵抗を感じ、神話や言語史に関する幅広い知識を活用した伝説的ファンタジーを作品に織り込むことで、子供だけでなく大人も楽しめる作品を目指してきた。
しかし、『サンタ・クロースからの手紙』同様、『Mr.Bliss』もそのストーリーテリングとキャラクターの性格描写は、自身の子供たちを楽しませたいという父としての願望から発展したものであることは明らかだ。
指輪物語やホビットの冒険ほどには世に知られることはなかった『Mr.Bliss』。だが、この1冊はトールキンがマーク・トウェインと同レベルの優れた児童文学作家であることを示したものといえるようだ。
written by Scarlet / edited by parumo