コロナ医療現場で見たナース残酷物語「針を振り回すモンスター患者も…」 (2/3ページ)
地域の救命救急医療を担っていた医療機関でのコロナ院内感染が相次ぎ、救命救急診療を引き受ける病院がなくなってしまった。
「心が折れました。こんな泥舟から逃げ出したい。もう耐えられません」
声をしぼり出すのは、国内最大級の新型コロナクラスターが発生した戸田中央総合病院(埼玉県戸田市)の現職看護師だ。同病院は県南部の救命救急を担っているが、職員1300人の1割にあたる130人以上が新型コロナに感染し、病棟が次々と閉鎖された。
「昨年11月の連休前に、院内で陽性患者が出たようだ、という話を聞きました。職員には何の説明もなく、連休中に院内感染は終息したのだろうと希望的観測を抱いていたのです。ところが12月に入ると、病棟から職員と患者が1人2人‥‥と消えていきました。前日まで元気に働き、病棟を歩いていた職員も患者もバタバタと倒れて、そしてみんな病棟から消えました」
1月28日時点で、患者と職員を合わせた陽性患者は300人を超え、30人以上の入院患者が命を落としている。
戸田中央総合病院の看護師が続ける。
「病院には辞めたいと申し出ましたが『仕事があるだけありがたいと思え』と言われました。コロナに感染しないかぎり、逃げられません」
もう責任感だけでは仕事を続けられないといい、
「子供の学費、一人暮らし‥‥と、生活があるから辞められない人もいる。身内に祖父母や病人がいる同僚は『看護師をしている自分のせいで家族が死ぬかも』と泣いています。陽性患者の濃厚接触者になり、自宅待機措置中に悩みました。今月の給料は支払ってもらえるのか、この先の生活はどうなるのか。自分の命と生活を犠牲にしてまで働き続ける意義は見いだせません。同僚に迷惑をかけたくないので年度末までは働きますが、もう看護師の仕事は辞めます」(戸田中央総合病院の別の看護師)
コロナ残酷物語はまだまだ続く。公立病院の医師や看護師はいやおうなしの「コロナ漬け」の日々だ。都立病院の勤務医が言う。
「都立病院は診療科目を大幅縮小し、小児科も産婦人科も眼科も皮膚科もあらゆる診療科の医師、看護師が総力戦でコロナ診療にあたっています。