警視庁が「外事警察4課体制」で中国“産業スパイ”を炙り出す【全文公開】 (4/4ページ)
新手のスパイ手法はITの進化とともにバリエーションを変え、次々と生み出されているともいうが、こうした事態に対応することも、拡充される警視庁外事課には求められている。
そんな中、昨年末以降、外事課が活動を活発化させていたことがわかった。組織拡充を前に、早くも動き出した形だ。公安関係者が明かす。
「医薬、バイオ、それから自動車産業にかかわる研究者らを国籍問わず、軒並み調べ始めたが、あちこちから怪しい人物が、さっそく浮かび上がった。中国と関係の深い者が多い」
具体的な氏名も何人か示された。調べてみると、いずれも日本の有名企業にかかわっていることが判明。
1人目は、医師資格を持つ外国人で、製薬会社に勤務していた。2人目はやはり外国人で、バイオ系の企業に在籍。3人目も外国人で、自動車産業の幹部。4人目の日本人はすでに退職しているものの、現在も自動車産業に関与していた。
興味深いのは、この4人の中に中国人がいないことだ。代わりに、中国と関係のある国の出身者や、かつて共産圏にあった国とつながりが深い者で占められている。従来の捜査手法や見立てでは、なかなか的になりにくい存在だ。
こうなると摘発は容易ではないはずだが、外事課に臆する気配はない。
「これからもっと炙り出していく」
どのようなやり方をもって4人の存在を突き止めたのか、詳細は明かさなかったものの、公安関係者は、そう意気込む。
迎え撃つ体制は整いつつあるようだ。国際情勢が流動的な昨今、大いに期待したいところである。
(ジャーナリスト・時任兼作)
※「週刊アサヒ芸能」2月18日号より