なぜ織田信長は強大な軍団を築けたのか?その理由は卓越した先見性と情報収集力にあった【前編】

Japaaan

なぜ織田信長は強大な軍団を築けたのか?その理由は卓越した先見性と情報収集力にあった【前編】

安土桃山時代の礎を築いた織田信長(おだのぶなが)。名のある戦国大名が群居する中で、天下統一を目指せた強大な軍団をいかにして築いたのか。

その理由は、信長の持つ卓越した先見性と情報収集力にありました。前編では、信長の先見性に焦点をあて、その強さを探っていきましょう。

いち早く着手した兵農分離

清須城。信長は城下町に農民の二男三男を集め、常備軍団を構築した。(写真:清須城天守閣)

織田信長の先見性を語る時、外せないのが「兵農分離」政策を行ったことです。戦国時代は、武士は主君の本城がある城下町に屋敷を持つとともに、領地にも城や館を構えていました。そこでは、家臣や農民が耕作を行っており、いざ出陣となると農民を兵隊として徴用していたのです。

戦国時代、戦闘に参加したのは武士だけではありません。割合からすれば、3割が武士で、7割が農民(農兵)でした。戦国大名にとって一番大切なものは、財力です。財力がなければ兵隊を養えませんし、武器も買えません。従って、領地からとれる農作物、とりわけ米は大切な収入源であったのです。

したがって、田植え(4月頃)と稲刈り(10月頃)の時期には戦争はできません。1年を通じての継続した戦争は不可能でした。他国へ遠征中に田植えと稲刈りの時期になってしまったら苦労して得た戦果を放棄し、いったん自領へ帰らなくてはならなかったのです。

ですから、多くの戦国大名たちは、農閑期を中心に合戦を行っていました。

農兵は足軽として戦闘に参加し、軍事力の重要な一端を担った。(写真:ウイキペディア)

しかし、信長は、農民の次男三男を農地から引き離し、清州などの城下に移住させ、給金を払い職業軍人化しました。そして、兵力を城下に集中させたことで命令系統がスムーズになり、軍団としての機動性が大幅に高まったのです。

兵農分離を行い、常備軍団を保有したためいつでも戦え、遠征も容易に行えるようになりました。もちろん、兵農分離には、職業軍人に支払うための財力が必要でした。その財力を賄うため、信長は商業を重視する政策をすすめたのです。

商業重視の経済政策

熱田神宮。門前町は商業都市として、多くの商人で賑わったという。(写真:ウイキペディア)

信長の父・信秀は、自領から得られる年貢以外の経済的基盤として、萱津、熱田、津島などの商業都市を保有していました。信秀は、そうした商業都市から得られる財力をフルに用いて、尾張統一を目指していきました。

信秀亡き後、信長は尾張半国とそうした商業都市を受け継ぎます。幼い頃から父の姿を見ることにより、戦国に生きる武家として商業から得られる利益がいかに大きなものかを実感していたのでしょう。

堺市内に残る環濠跡。戦国時代の堺は、多くの南蛮人が出入りする国際商業都市だった。(写真:T.TAKANO)

足利義昭を奉じて入京を果たした信長は、国際貿易都市・堺に狙いを定めます。堺は南蛮貿易の基地として、莫大な利益を町衆にもたらしていました。信長は、武力を背景に町衆を屈服させ、堺を直轄領とします。

そして堺から得られる利益を用いて、新兵器である鉄砲を仕入れ、弾丸、硝薬の供給ベースとしたのでした。

新兵器を活用する先見性

鉄砲の三段撃ち戦法で、武田勝頼を破った長篠の戦い。(写真:ウイキペディア)

戦国時代の新兵器の代表は鉄砲でした。よく信長のみが鉄砲の利点に気付いて積極的に採用したように言われますが、事実はそうではありません。

先見の明に優れた武将たちは、いち早く鉄砲に注目していました。しかし、単に注目するだけでなく、積極的に取りいれるとともに、いかに活用するかが重要で、信長はその点において、他の戦国大名たちを大きくリードしていたのです。

信長は、戦国時代の最新兵器・火縄銃を最大限に活用した。(写真:ウイキペディア)

信長は堺の商人に命じて、最新式の鉄砲を集め、弾丸の材料となる良質な鉛や硝薬を確保します。

発砲するまでに時間を要する火縄銃の弱点を補うために、三段戦法を編み出し、長篠戦いで武田勝頼を破りました。

また、石山本願寺攻めでも、安宅船に装甲を施し多くの大鉄砲を搭載した鉄甲船を投入し、毛利水軍を撃破しました。

このように、信長は優れた先見性で、織田軍団を強大な兵団に仕上げていったのです。

【後編】に続きます……

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

「なぜ織田信長は強大な軍団を築けたのか?その理由は卓越した先見性と情報収集力にあった【前編】」のページです。デイリーニュースオンラインは、戦国時代織田信長カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る