『ボス恋』山場!上白石萌音・キスマイ玉森・間宮祥太朗・倉科カナの「切なさカルテット」 (2/3ページ)

日刊大衆

むしろ潤之介をますます好きになってしまいそうで見ていて苦しくなる。なぜなら、このタイミングでの告白は波乱を起こすだけで最終的に結ばれないことは恋愛ドラマのセオリーなのだ。

■潤之介に振り回される人たち

 一方、潤之介(Kis-My-Ft2玉森裕太/30)は奈未の手狭なアパートに私物を持ち込んだり、人前で「俺の彼女なんです」「付き合っているんです」とサラッと言えるくらいに気持ちに裏表がなくストレートだ。そして優しい人だから、幼馴染で元カノの理緒(倉科カナ/33)を放っておけないし、泣いていたら抱きしめてしまう。そこに恋愛感情があるのか、あったとしてどれくらい残っているのかなんて分からない。だけど、道端で二人が体を寄せていたら、理緒の背中に手を回す潤之介を見たら、奈未は動揺してしまうだろう。自宅で潤之介と食べようとケーキを買ったが帰宅する気持ちは失せてしまい、編集部で残業をしている同僚に差し入れとして出すことに。潤之介への思いを吐露する奈未はたまらず泣き出してしまい、それを陰から聞いている中沢が気持ちを爆発させるまで時間はかからなかった。潤之介に「遠慮しないから」と宣戦布告をして、奈未に「好きだ」と告白するまでが早かったし、タイミング的に鋭いところを突いてきている。

 ところで、奈未が選んだケーキがミルフィーユだったことで、先の展開が暗いものになる予感をさせた。甘いクリームたっぷりのケーキではなく、薄いパイ生地を重ねて焼き上げたミルフィーユは、フォークを刺すと簡単に崩れてしまう。軽い圧力でホロホロになってしまう構造は、まるで奈未の不安な気持ちや状況を表現しているようだ。ドラマではちょっとしたケーキ選びにも意味があるし、小道具の使い方がとても上手だなと思う。

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