ももいろクローバーZがアルコ&ピース平子の「愛の言葉」に対して見せた「新たなる悶絶の可能性」

日刊大衆

※画像は『月色Chainon 【ももいろクローバーZ盤】』より
※画像は『月色Chainon 【ももいろクローバーZ盤】』より

テレビの中の女たちvol.47 ももいろクローバーZ

 大げさに言うと、悶絶という表現の可能性を見た。

 ももいろクローバーZの番組『ももクロちゃんと!』(テレビ朝日系)の19日の放送に、芸人の平子祐希アルコ&ピース)が出演していた。

 愛妻家としても知られる平子は、「愛の哲学者」「愛の伝道師」といった触れ込みで番組に登場。他の番組などでも見せているように、今回も「結婚って結局何かっていうと、一生できる恋愛なんですよ」などと愛に関する“名言”を次々と繰り出していく。

 もちろんこれらの発言は、気恥ずかしくなりがちな話題をあえて堂々と語るという“ボケ”の側面がある。他の番組だと、この平子の佇まいと発言に芸人たちが多少乗りながらも適宜ツッコミを入れて笑いを生む。

 ただし今回が他の番組と違うのは、その平子の言葉を受け止めるのが芸人ではなくももクロだということだ。彼女たちは、平子の愛の名言にツッコむのではなく、次々と悶絶していった。

 たとえば、自分の弱点を平子の愛で包んでもらおうというコーナー。そこで玉井詩織は、自分の駄目な部分を語る。

「私はアレやりたいコレやりたいって思うことがすごい多い割には、行動に移すまでがすごい長くて」

 これに平子が「慎重派で思慮深いことが無駄なの?」などと回答。「いいってことですか?」という玉井の質問に、「俺そうじゃなくなっちゃうの嫌だな」と平子が追撃すると、玉井だけでなく他の3人も一斉に身を捩らせたり、「キャー!」と叫びながら悶絶した。

 さらに、自分は「気にしい」だという高城れにが「素直な自分の気持ちを伝えられなかったりするんですけど、どうしたらいいですか?」と尋ねると、平子が「(さっきから)ちょっと伏し目がちな顔がめちゃくちゃかわいいです」と答えて一同悶絶。

 佐々木彩夏が「足が蒸れやすくて、もし結婚して一緒に暮らしてとかなったら、気になるなって」とちょっと違った角度からの悩みを語ると、「その一つひとつに悩んでる様がどれだけ愛おしいものか」と返すと一同悶絶。

 そして最後は百田夏菜子。マイペースな自分は結婚に向いていないのだろうかと彼女が尋ねると、平子は「めちゃくちゃ薄っぺらいこと言っていいですか? ごめんなさいね。……めちゃめちゃかわいいから大丈夫じゃない?」と返答。これに百田は間髪入れずに立ち上がり、戸惑いと恥ずかしさと嬉しさが入り混じった表情を浮かべながら言った。

「……え……え……好き」

 もちろん、ももクロの反応もフィクションとノンフィクションの狭間といったところがあるのだと思う。けれど、ライブのパフォーマンスと同じく“全力”で一斉に悶絶する彼女たちの姿に笑ってしまう。

 彼女たちは、気恥ずかしい話題をあえて堂々と語るという捻れたボケを、“あえて”も何もない(ように見える)悶絶でシンプルな笑いに引き戻す。多少クセのある平子の言葉を、彼女たちの身悶えが脱臭していく。大抵のツッコミでは揺るがないキャラに入った平子が、あまりの反応の良さになんだか気圧され気味なのも可笑しかった。

 悶絶という表現の可能性を、正確に言うと、ももクロの全力の悶絶の可能性を見た。

(文・飲用てれび)

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