知ってる? 「報告」と「連絡」の違い (3/3ページ)
この「取り急ぎ」の意味を辞書で引くと「(主に手紙で)諸々の儀礼・説明を省略し用件だけを伝える意」と記載されています(『広辞苑』第6版より)。
「主に手紙で」とあるため「取り急ぎ」は手紙やメールなど文章で伝える際に使うようにしましょう。また、用件のみにとどまらず詳細まで伝えた際には付ける必要はないでしょう。
◇「ご報告差し上げます」は上から目線の印象
「ご報告いたします」と似たような言葉として「ご報告差し上げます」があります。
「差し上げる」は「与える」の謙譲語で、一見丁寧な表現ですが、「与える」の意味を辞書で引くと「相手の望みなどに対応するような物事をしてやる意」とあります(『広辞苑』第6版より)。上から目線の印象を持たれてしまう可能性があるので、使わないのが得策でしょう。
■「報告」と「連絡」の違い
「報告」と似ている単語に「連絡」があります。使い分けに悩む方も多いので、最後に違いを説明しますね。
「報告」と「連絡」は、共に「相手に伝える」という意味を持ちますが、「報告」は、主に済んだ物事のことや結果など過去の事実を伝える時に使います。
一方「連絡」は、辞書によると「互いに関連すること。また、その関連。相手に通報すること。相互に意思を通じ合うこと」などとあります(『広辞苑』第6版より)。
つまり、さまざまな情報や状況などについて、関係する人に知らせ、共有する時に「連絡」を使うといえます。これだけだと「報告」と似ていますが、「連絡」には未来に関する事柄も含まれるのが大きな違いでしょう。
☆例文
「本日15:00より、大会議室にて〇〇に関する会議を行いますのでご連絡いたします」 「来月から新システムを導入することになりました。操作方法を含め、詳しくはメールにてご連絡いたしますので、ご確認ください」
「報告」を使うのは完了した事柄や過去のことを伝える時、「連絡」を使うのは未来のことを伝える時、と覚えておくと分かりやすいでしょう。
■「ご報告いたします」を正しく使おう
今回は「ご報告いたします」の正しい使い方をご紹介いたしました。
報告はビジネスにおいて義務ともいわれるほど重要なものです。だからこそ、「ご報告いたします」を用いるシーンは多いでしょう。正しく使えるように、今回解説したことを頭に入れておいてくださいね。
(直井みずほ)
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