もしもに備える「巨大地震警戒エリア」最新MAP (2/2ページ)
「南海トラフ地震は、フィリピン海プレートが移動することで起こる可能性が高まります。このプレートは年に4.5センチほど移動していますから、地震が近づいていることは間違いありません」(前出の島村氏)
この地震が恐ろしいのは、なんといっても被災範囲の広さだ。神奈川・静岡から九州南部までの地域が、震度5強以上の揺れに見舞われると想定されている。
「被害想定地域が広範囲のため、死者32万人、経済被害は220兆円とも予想され、これは東日本大震災の10倍以上。震度7の地域も多く、日本が大きなダメージを受けるのは確実です」(気象庁関係者)
では、“Xデー”はいつなのか。独自の理論で、阪神・淡路大震災や東日本大震災を予測したことで知られる琉球大学名誉教授・木村政昭氏(地震学・海洋地質学)は、このように語る。
「私が予想する“地震の目”の一つに、『宮崎県沖』があります。ここで地震が発生した場合、九州東沿岸部が津波で大被害を受けることは、まず間違いない。と同時に、ここは南海トラフの西端に位置していますから、この地震によって南海トラフ地震が誘発される可能性が高いんです」
どの地域での地震がトリガーになるか分からないというわけだ。遠方の地震であっても、目を光らせておく必要がありそうだ。
そして、もう一つの巨大地震が首都直下型だ。最大震度は7。特に東京、神奈川の多くの地域で、震度6以上の大きな揺れに襲われることになる。
「最大で死者2万3000人、経済損失95兆円ともいわれています。日本の首都機能が大きな被害を受けるため、未曽有の混乱も予想されます」(前出の記者)
火山の専門家でもある前出の木村氏は、首都直下型によって引き起こされる火山被害にも言及する。
「首都直下型地震に関係する、太平洋プレートの南側の境界は、富士山まで海底で連動しています。南側の小笠原や伊豆諸島付近で大地震が起きた場合、そちらのプレートの力が抜け、北側の富士山のほうに力がかかってくる。すると、富士山のマグマだまりが押され、噴火につながる可能性もあるんです」
現在発売中の『週刊大衆』3月15日号では、防災のプロによる「生き残る」備え鉄板7か条を公開している。