野田クリスタルの無茶ブリギャグづくりから一転、おぎやはぎを絶賛させた新人女優の魅力
テレビの中の女たちvol.48 小椋梨央
初めて知った人のことを書く。
2月28日の『ゴッドタン』(テレビ東京系)で放送されていた「壁ある芸人矯正プログラム」。普段は無口で共演者と喋らない「壁ある芸人」を「壁なし芸人」に矯正しようという企画だ。
その矯正方法は、バラエティ番組への出演経験がほとんどない女性タレントと仲良くなり、壁をなくすというもの。今回、芸人側として登場したのは、昨年のM-1チャンピオンであるマヂカルラブリーの野田クリスタル。そして、女性タレントは小椋梨央だ。
おぎやはぎからの遠隔指令のもと、野田はテンション高く小椋とコミュニケーションをとる。そんな企画が裏で行われているとは知らず、ニセ番組の打ち合わせと称して呼び出された小椋は、困惑しながら振り回される、という形で番組は進む。
が、この小椋が圧巻だった。
ニセ番組の番宣コメントを撮影するシーン。コメントの最後で決める一発ギャグを考えるよう言われた野田は、おぎやはぎ・矢作の指令で、小椋の意見も取り入れながら「野田ダダダダ、わ~。野田ダダダダ、わ~。ショートケーキ!」というギャグを作る。小椋の意見を取り入れるといっても、好きな食べ物を聞かれた彼女が「ショートケーキ」と答えただけなのだが。
しかし、このギャグは当然のようにウケず。矢作から「(ギャグがスベってスタッフに)めちゃくちゃ怒られるので、全部小椋さんのせいにしてください」と指示を受けていた野田は、スタッフから問い詰められると「小椋さんに考えてもらって」と責任転嫁する。
そんな理不尽な展開に、最初は「わたしのせいみたいになってるじゃないですか」と最初は笑いながら反論していた小椋。しかし、野田の発案というラインは譲らず、シラを切り続ける野田に徐々に不満げな顔になっていく。
「どっちが考えたんですか?」と改めてスタッフに聞かれた野田が「いや小椋さんです」と答えると、間髪入れず小椋は「いや野田さんです」と言い返す。
場の空気とか関係なく、降り掛かった理不尽に対し譲らず、不満げな顔を隠さないのがいい。
その後、2度、3度とギャグの考え直しを命じられる中で、当初は「(ギャグの)最終決定したくないです」と言っていた彼女は、ギャグづくりに自分の意見も積極的に出し始める。この切り替えがまたすごい。
最後は30秒ほどのアドリブ漫才にも見事に対応。「小椋さん、もう1回やりたいとかある?」とスタッフに問われると、彼女は野田に向かって言った。
「ラスト1回ぐらいやっときます?」
一連の小椋の反応に、モニタールームのおぎやはぎや松丸友紀アナウンサーらも終始笑いながら絶賛。小椋を振り回していたはずの野田も、そのバックにいた矢作も、みんな彼女の魅力に呑まれる展開だった。
小椋は2001年生まれの19歳。舞台などで俳優として活動し、今年1月からは実写ドラマとアニメを組み合わせた『アイカツプラネット!』(テレビ東京系)に出演しているとのこと。その度胸と負けん気と判断力と。そのうちまた別の機会に、私たちを驚かせてくれるかもしれない。
(文・飲用てれび)