会いたくて…主を慕い都から海をひとっ飛び。樹齢千年「飛び梅伝説」の梅が咲く春が来た 【後編】 (3/5ページ)

Japaaan

そして、桜は道真公が太宰府に去った後、悲しみのあまりに元気を失い、つに枯れてしまったとか。

そして松は素知らぬ顔をしていたので、道真公が、

『梅は飛び 桜は枯るる 世の中に 何とて松のつれなかるらむ』

と読んだところ、松も梅同様に道真公を追いかけて空を飛んだそうです。

けれども、力尽きてしまい摂津国八部郡板宿(現在の兵庫県神戸市須磨区板宿町)の丘に降り立ち、その地に根付いたそうで「飛松伝説」として残っています。

「板宿の飛松」板宿八幡神社

白梅とも紅梅とも両方の説がある

 北野天神縁起 (大宰府の配所にて、かつて帝から賜った衣を取り出し涙ぐむ道真公)写真:wikipedia

「北野天神縁起絵巻」(菅原道真の生涯や死後の怨霊伝説、北野天満宮の由来などを描いた絵巻)には、あの有名な「東風ふかば」の詩の段の結びに、

『さて、この御歌ゆへに つくしへこの梅は飛びてまいりたりとぞ申侍るめる』

との一文が、承久本に至って初めて加筆され、飛梅伝説が発祥した起点となったとされています。

現在、太宰府天満宮に咲くご神木「飛梅」は白梅。道真が幼いことから愛していた屋敷の庭に咲いていたのは紅梅。なぜ色が異なるのかについては、

●飛んでいるうちに力尽きて白梅になった

●道真の屋敷(紅梅殿)には白梅もあり、その梅が飛んで行った

……ほか、白梅か紅梅に関してはいろいろな説が伝わっています。

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