食物アレルギーの原因は皮膚だった!? 赤ちゃんのアレルギー発症を防ぐ「予防スキンケア」とは
アトピーや喘息など、何らかのアレルギー疾患に悩まされているという人は少なくないはず。
アレルギー疾患は子どもの頃に発症する場合が多いため、長い間悩まされ続けている…という人もいるのではないでしょうか。
そんな子どもの頃、とりわけ赤ちゃんのアレルギー発症に関する最新知見と予防方法が発表されました。
翠松堂製薬株式会社主催で開催された、オンラインセミナーの内容をレポートします!
荒れた肌が原因で食物アレルギーに?子どものアレルギー発症に関する最新情報
子どものアレルギー発症に関する情報を教えてくれたのは、岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 特命教授であり、日本小児アレルギー学会理事の池田政憲先生。
まず食物アレルギーについて。今までは、「お母さんが食事として摂取したものが、母乳や胎盤を通して赤ちゃんに移行することで発症する」という考え方が主流でした。
しかし現在は湿疹や乾燥状態にある、「いわゆるアトピー性皮膚炎のような状態の皮膚からアレルゲンが侵入することで、アレルギー症状を引き起こしてしまう」ということが明らかになってきているのだとか!
アレルギーの原因が皮膚にあるなんて…驚きです。
さらに日本から発信された重要な考え方として、アレルギーの遺伝因子を持つ赤ちゃんが生まれると乳児湿疹が起こり、年齢が進むと、
アトピー性皮膚炎→食物アレルギー→喘息→アレルギー性鼻炎など様々なアレルギーへ移行していく「アレルギーマーチ」
が世界のトピックスになっているとのこと。
アレルギーは発症してしまうと次々に別のアレルギーへと進んでしまう可能性も考えられるので、次のステージへ移行しないよう、どこかで食い止めることがとても大切だそう。
特に乳幼児期においては皮膚のバリア機能を高めることで、最初に起こりがちなアレルギーであるアトピー性皮膚炎の発症リスクを抑制することが、アレルギーのその後の進行を抑えることにつながる可能性があるといいます。
赤ちゃんの皮膚のバリア機能を高めアレルギー発症を防ぐ「予防スキンケア」
それでは赤ちゃんの皮膚のバリア機能を高めるためには一体どうすればいいのでしょうか。
「皮膚の汚れを落として清潔にする『洗浄』と、肌を保護し潤いを保つ『保湿』が何よりも大切」と、池田先生。この2つを「予防スキンケア」と呼び、うまく使いこなすことがアレルギー疾患の予防につながるといいます。
みずみずしく見える赤ちゃんの肌ですが、実は大人に比べて表皮の厚さは約半分、水分の蒸発量は倍近くとまだまだ発達途上でバリア機能が十分ではないのだとか。
実際にアトピー性皮膚炎のハイリスク新生児に生後2,3日ごろから1日1回の保湿剤を塗布するなど十分な保湿をしてあげた結果、アトピー発症リスクを32%減らせたという調査結果も!
なるべく早期に、新生児期から予防スキンケアを開始することで皮膚のバリア機能を維持・改善していくことが重要と考えられています。
いざ実践!効果的な乳幼児のスキンケア方法
セミナーでは、「洗浄」と「保湿」という「予防スキンケア」の赤ちゃんへの実践方法が、福山市民病院の上原宏美先生から紹介されました。
赤ちゃんの肌は大人と同じだけの汗腺があり、汗の汚れが刺激の原因にもなるため、お湯だけではなく、洗浄剤を上手に使って洗う必要があるということ。スポンジやガーゼで肌を直接擦ると傷つけてしまうことがあるので素手で洗う方が良いそう。
頭は体の十倍もの皮脂腺があるため、頭専用のシャンプーを使用することが大切だといいます。
洗う順番は顔→頭→首→お腹→腕と手→足→背中→お尻。
シワの部分も伸ばして洗い、泡を残さないようしっかり洗い流すことが大切だそう!
また保湿は入浴後だけではなく、汗を拭いた後、おむつ交換でお尻を拭いた後、ミルクや離乳食の保護として顔に塗るなど、臨機応変に行うとさらに効果的なのだとか。
保湿剤は低刺激で保湿力が高く、伸びが良いなど好みの使用感のものを選んで良いそうで、少しでも毎日の負担が軽くなるものを選ぶことが予防スキンケア継続の秘訣だといいます。
翠松堂製薬株式会社から3月15日(月)に誕生する新ベビースキンケアブランド「ママフィ」から発売される2種類の保湿剤「濃いリッチミルク」と「潤いミルキーローション」は赤ちゃんのお肌の状態や使用感に合わせて選択できるので、ママたちの救世主的スキンケアアイテムとなってくれるかもしれません!
健やかな肌を保つことがアレルゲンを寄せ付けない方法だとは初めて知る情報で驚愕! 大人だけではなく、子どもにとってもスキンケアは大切なのだということを改めて思い知らされました。
今だけではなく、子どもの未来の健康のために、毎日コツコツと積み重ねていきましょう!
参考:ママフィ
取材・文:森田文菜