アイドルグループの「バラエティ班」なき時代で日向坂46加藤史帆が芸人にハマる訳

日刊大衆

※画像は日向坂46『ソンナコトナイヨ(通常盤)(特典なし)』より
※画像は日向坂46『ソンナコトナイヨ(通常盤)(特典なし)』より

テレビの中の女たちvol.49 加藤史帆

 かつて、アイドルグループには「バラエティ班」と呼ばれるメンバーがいた。「かつて」は言い過ぎかもしれないけれど、そう書きたくなるのは、もはやそういう役割分担があまりないような気がするからだ。

 グループ全員が何らかの形でバラエティ対応可。以前であれば「清純派」と呼ばれたメンバーも、「清純派」というキャラでバラエティ的な振る舞いをする。それが当たり前になる中で、単にグループの中心メンバーがバラエティに多く出る状況になっている。あるいは、バラエティ的な対応力の高いメンバーがグループの中心やそれに近いところに来る場合が多いのかもしれない。

 もちろん、そんな中にあっても、バラエティ番組で特別な活躍を見せるアイドルはいる。たとえば、日向坂46の加藤史帆だ。

 彼女たちの冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)が放送されていない地域に住んでいる私は、グループ全体の中での加藤の立ち位置がちょっとよくわからない。噂によると、グループ全体がバラエティ番組への対応力を兼ね備えているとも聞く。けれど、1人あるいは少人数でバラエティ番組に出演している加藤の言葉は、しばしば私の耳には留まってしまう。

 以前、かまいたちがMCを務める番組『かまいガチ』(テレビ朝日系)に、加藤がリーダーの佐々木久美と一緒に出演したときのこと(2020年12月21日)。彼女は佐々木が濱家隆一のことを好きだと強弁していた。佐々木が否定しても「たぶん恥ずかしがってると思うんですよね」と自身の主張を真顔で押し通していた。

「今日は恋愛バラエティだと思って来ました」

 そう宣言する彼女は、「今日(佐々木)が濱家さんにキュンってしたら、もう好きってことにしちゃおうと思って。そしたら私の勝ちです」と、自分がルールを設定したゲームを唐突に開始する。

 あるいは、『坂道テレビ』(NHK総合、2021年2月27日)。潮紗理菜富田鈴花と加藤が3人でトークをしていた場面で、メンバーやグループに対する愛情を他の2人が語ったときのこと。加藤は目をうるませながら言った。

「今年泣かないって決めたから。下まぶたの皮膚の中に(涙を)入れるっていう技を覚えた、最近」

 そう言って、加藤はなんとか涙を下まぶたに収納するのだった。

 そんな加藤について、MCのかまいたち・山内が次のように評する。

「たまに僕の中でセンサーに引っかかる、たまたま見た目可愛かっただけの女子なんです。見た目と性格が釣り合ってない。めっちゃ変やで、たぶん」(『これ余談なんですけど…』朝日放送、2021年2月23日)

 バラエティ番組の第一線で活躍する芸人に「変」と(もちろん褒め言葉で)評価される加藤。確かに、「恋愛バラエティだと思って来ました」「そしたら私の勝ちです」「今年泣かないって決めたから」などと、自分で決めた突飛な設定を真顔でいきなり宣言する彼女はちょっと「変」で面白い。

 アイドルグループの「バラエティ班」なき時代――というと言い過ぎかもしれないけれど、そんな中にあって、彼女のちょっと「変」な言葉が私の耳にはよく留まってしまう。

(文・飲用てれび)

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