地球の内側には正体不明の隠された層があることが判明
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地球の内部は、球状の層が幾重にも積み重なった構造となっており、地殻、マントル(上部・下部)、外核、内核で構成されていることがわかっていた。
だがそれ以上に複雑なものがあったようだ。内核の内側に隠れた層らしきものが発見されたのだ。
それがどのような性質のものなのか、まだはっきりとは分からない。しかし高温と高圧にさらされた鉄の構造変化に関係している可能性があるそうだ。
・地球の構造
地球の構造はこれまで、表面に一番近いケイ酸塩の固体からなる地殻、その下に上部マントル(高い粘性を持つアセノスフェア)、下部マントル、液体の外核、中心部は固体の内核でできているとされていた。
地表から2900キロほど地下へ潜ると「外核」に到達する。ここは2200~5000度の高温にさらされており、鉄とニッケルがドロドロに溶けた状態で存在している。さらに潜れば、地下5150キロの地点で固体の鉄とニッケルでできた「内核」へ到達する。
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・内核の中心部で発見された未知の層
内核の中心に何やら興味深いものが存在するらしきサインが見つかったのは、1980年代のことだ。
太陽の表面に匹敵する高温の内核にたどり着く手段はない。だから、そこの様子を探るには地震波が利用される。
地球の片側で地震が発生すると、その地震波は内部を通過して反対側へと伝わる。反対側で検出された地震波に何か変化があるようなら、そこから内部の状況を推測することができる。
ここから明らかになったのは、南北へと伝わる地震波は、赤道と水平に伝わるときよりも伝達が速いことだ――「異方性」があるのだ。
さらに2000年代に入ると、内核の中心だけ他の部分と異方性が異なっているらしいことが判明した。だが、それが一体何を意味しているのか、それは今に至るまで謎に包まれている。

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・異方性のズレ
『Journal of Geophysical Research: Solid Earth』(20年12月7日付)に掲載された研究では、オーストラリア国立大学のグループが、地球中央を通過した10万回分の地震波データをアルゴリズムに入力して、もっとも有り得そうな原因を分析している。
その結果、内核のさらに650キロ奥深くに内々核が存在しており、地震波の伝達が遅くなる方向が赤道と水平ではなく、54度ズレていることが判明した。

地球内部の層を通る地震波 credit:Stephenson et al., Journal of Geophysical Research: Solid Earth, 2021
決してノイズなどではなく、確かに何かがあるらしいが、それが何か特定するのは難しいとのこと。
仮説としては、地球が冷えるにつれて形成される鉄の結晶化プロセスや、高温・高圧にさらされた鉄の振る舞いの変化が考えられるそうだ。
地球内部の状況を知ることは、地磁気の状況を知ることにもつながる。地磁気は太陽から降り注ぐ荷電粒子を防ぐバリアのようなもので、地上で暮らす生命にとっては欠かせないものだ。
References:livescience / sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo