日向坂46ドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』を手掛けた竹中優介監督が語る「周年ライブを続けていくことの難しさ」【周年ライブの魅力再確認】

日刊大衆

松井珠理奈
松井珠理奈

 数々のアイドルの番組とドキュメンタリー映画を手掛けてきた、TBSプロデューサー竹中氏に、アイドルの周年ライブの魅力と、その一方で、年を重ねるごとに生まれてくる周年ライブの難しい部分について語ってもらった。

――数々のアイドルグループと仕事をしている竹中さんから見て、周年ライブはどんなイベントなのでしょうか?

 周年ライブは諸刃の剣だと思っているんです。メモリアルイベントではあるんだけど、ここがゴールだと思わせてはいけない。次の指針を示すためのイベントであるべきだと思ってます。

 AKB48の10周年公演はOGが参加して盛り上がったし、歴史を紐解くという意味では正しいと思いましたが、「その先」を打ち出してほしかったかなと。OGがあまりに強すぎるというのはあると思いますが、もっと未来を見たかったんです。過去の実績があればあるほど、周年ライブのハードルが上がっていく怖さはあると思います。

――竹中さんが監督されたSKE48のドキュメンタリー映画『アイドル』では、後半に10周年記念特別公演が映されていました。

 松井珠理奈さんが活動休止している中、高柳明音さんが「SKE48はいまが一番楽しい」と声を挙げて、18年は過去のSKE48の勢いを超えようと一丸となって進んでいった。ファンも盛り上がって、10周年記念特別公演では例えば「ナゴヤドームでのライブが発表されるんじゃないか」という予想がされるほど、期待感が高まっていたと思います。

 でも、結局大きな発表はされず、次の指針を示すことはできなかった。僕は周年ライブの一番ツラい現場を観てしまったんです。一番思い出に残ってる周年ライブかもしれません。

――終盤の高柳さんが独白するシーンは心に刺さりました。

 あの場でナゴヤドームが発表されてハッピーエンドになることを望んで取材していたけど、明暗の暗のほうに転んでしまいました。でも、彼女がカメラの存在を忘れて感情をぶちまけてくれたことで、映画を終わらせることができたんです。1年間、グループを引っ張ってきたからこそ悔しさが伝わりました。またSKE48が燃えて、高柳さんの無念を晴らしてくれることを期待してます。

■勢いが止まらない日向坂46

――『3年目のデビュー』を監督した日向坂46はいかがでしょうか?

 本来は『3年目のデビュー』はデビュー1周年のタイミングで公開する予定だったんですけど、コロナ禍で延期になってしまった。ただ、コロナ禍でもテレビ番組の露出がグッと増えて、日向坂46の勢いが止まらないところがすごいですね。けやき坂46の頃から、彼女たちは「不遇」を乗り越える「幸せ感」を持っている。そのイズムが1期生から2期生、3期生へと継承されているんです。

 AKB48や乃木坂46のようなグループ内の競争というより、全員が運命共同体として動いている。センターが自分から替わっても「おめでとう」と素直に祝福できるんです。切磋琢磨よりも支え合い。価値観がアップデートされていて、いまの時代に合っているグループだと思います。今年はどうなるか分かりませんが、2周年ライブがあれば未来志向のライブであってほしいです。日向坂46なら周年ライブの魔力に負けず突き進めると思います。

――坂道シリーズでは、乃木坂46のバースデーライブが毎年恒例となっています。

 バースデーライブと違う話で恐縮なんですけど、神宮球場で期別にパフォーマンスしたライブ(17年7月1日、2日)が好きで、特に2期生から伝わってきた物語性が心に残っています。2月からアンダーメンバーを中心とした番組を始めるんですけど、MCに2期生のメンバーを起用する予定です。

――最後に、いま注目しているグループがあれば教えてください。

 =LOVEですね。配信で観た3周年ライブはその時点でのベストを出していたし、ファンにとってうれしいサプライズがいくつもあった。メモリアルと未来の両方があったんです。あのライブを観たら「未来しかない」と思えたし、実際に武道館(21年1月16日、17日)に足を運んで生のライブに感動しました。

 ハロプロとAKB48の両方のよさがあって、全員が本気で歌って本気で踊っているし、ビジュアルも強い。まだ粗削りな部分もありますが、完成したら最強のアイドルになると思います。メディア露出が増えれば間違いなく売れるんじゃないでしょうか。

●たけなかゆうすけ TBSプロデューサー。日向坂46のみならず、過去にSKE48のドキュメンタリー映画『アイドル』も監督として手掛ける。現在は『SKE48 ZERO POSITION』、『かなりんのトップ目とれるカナ?』(CS放送TBSチャンネル1)を担当。新たに竹中氏が担当の乃木坂46の新レギュラー番組が2021年2月にスタート(同チャンネル)。アンダーメンバーを中心に、様々なお試し企画に挑戦し、彼女たちの新たな才能を発掘するバラエティ。放送は毎月最終土曜日予定。

(EX大衆2021年3月号「周年ライブの魅力再確認」竹中優介)

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